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俳句をイタリア語で詠めば

2013年11月16日 14:31

俳句をイタリア語にするのはとても難しい。

まずイタリア人と日本人の自然の感じ方が違うからだ。

以前、妻がイタリアに仕事に出かけていて、僕と息子は留守番役であった。

で、フェイスブックに「今夜は天ぷら。妻はいない。独活(うど)を買ってみた。

若い茎はやわらかくて、おいしかった。そこで一句。

『まつすぐに連れはイタリア独活きざむ』」と書いて、続けてイタリア語で、

「mia moglie va in Italia

  senza pensieri

 e trito l’aralia」

と訳してみた。

すると、イタリア人の友人から、「hahahaha」と返事が来た。

とりあえず、意味は通じたのだろう。

 

ある日の昼下がり、ふと地面を見ると,2羽の鳥が仲良く散歩していた。いいねえ。

『水ぬるむ何ごともなき行き来かな』」と詠んで、

イタリア語訳を

「Acqua tiepida

viavai di gente

senza ragione 」としてみた。

すると、いつもの友人から「すごい!(Che bello!)」と返事があった。

実は、種明かしをすると、「水ぬるむ」を最初 Acqua poco rigidaと訳していたのだ。

ところが、もう一人のイタリア人の友人から待ったがかかった。

tiepida(ぬるい)がいいというアドバイス。

独活の俳句の、「まっすぐに」も、実はsenza scrupoliと訳したのだけど、

senza pensieriの方がベターだという。

俳句は日本語で楽しみたいと言いたいところだが、

たまにはイタリア語で挑戦してみるのも悪くないかもしれない。

 

 

フォー

2013年11月15日 15:03

最近、渋谷にあるベトナム料理の店「ハノイのホイさん」に友人と通っている。

好物のフォーがとってもおいしい。

そこで一句。

「ベトナムのフォーに吐く息冬のいろ」

俳句は日記なり

2013年11月15日 10:15

俳句を始めたのは2012年の7月18日。

東急線の電車の中で、幼児がおもちゃ代わりに

スマホで遊んでいる光景を見て、

「幼子の手にするスマホの蛍かな」と詠んでみた。

 

最初の教科書は、藤田湘子の「俳句入門」。

俳句歴20年以上の母親から借りた。

切れ字をどう使いこなすか。

切れ字には、「や、けり、たり、こそ、らむ、けむ、ぞ」などがある。

大きく三つの役割があるようだ。「格調、省略、詠嘆」。

そうそう、俳句は縦書きだ。

ともかく、一日一句は作ろうと決めた。

 

「俳句は日記なり。俳句はコトバの遊びなり。俳句はイメージの彷彿なり」。

 

毎月、母と息子の俳句新聞「ひまわり新聞」を発刊している。

2012年夏 創刊号

「少年の素振りなんども夏の影」

「友迎え火照ったトマトあかあかと」

「半世紀コーラの夏の泡聞こゆ」

「浮雲や夢の数だけ夏の空」

 

「ぐいぐいと肩甲骨の歩く夏」

この句は、現代俳句協会のインターネット句会で三番目の高得点を得た。

 

「ぶつぶつと父のあれこれ日日草」

この句は、信濃毎日新聞の俳句フォトに応募したら、「努力賞」をいただいた。

 

2012年 第二号

まずは父親の米寿のお祝いに、祝いの句を二句。

「柿一つ空張りつめて米寿かな」

「稲びかり短くあれどはや米寿」

 

「藤椅子や役職あらず家族あり」

「無言にて今日も終わりぬ彼岸花」

「ジャズ演奏頬ふくらまし心太」

「蝉時雨オーソレミオと聞こえけり」

「敬老日わが年輪にしわ少し」

 

 

2012年 第三号~第六号

「槍のごと怖れ知らずの葉葱かな」

「息白しスタンバイミーと子が駆ける」

「歯ブラシの仲良く並ぶ冬日かな」

「星流る店のをんなの艶歌かな」

「返り花一期一会と引き止めぬ」

「我ひとり故に我ありとうがらし」

 

「冬ざれや双葉あとさきランデブー」

「行く年や虫歯ですねと白マスク」

「夕映えに枯葉たちまち紅をさし」

「冬鴎舞い降りたるは座礁船」

「自転車を盗む奴おり社会鍋」

「餅つきや杵の吐く息温かき」

 

松山へ吟行。道後温泉前に置かれた「俳句ポスト」に投句したら、

「句のまちはゆったり染まる寒夕焼」

が特選に選ばれて、松山市長からお手紙をいただいた。

 

「初詣目玉大小玉子焼き」

「ここちよく改札抜ける三が日」

「成人式帰りはたった一人かな」

「初場所や息を整え清めけり」

「つまずけば土のかをりの霜夜かな」

「さくさくと雪踏む靴の小言かな」

「淋しくば亀を遊ばせ冬籠」

 

2012年 第七号~第十号

詩人の谷川俊太郎氏宅を訪問した。そこで、4句。

「初対面瞳の中の氷解く」

「薄氷溶けてひらがな五文字かな」

「冬波の海に帰るや詩人おり」

「この午後の一期一会や春の海」

 

 

「別れ霜あはれは二羽のインコかな」

「行く春の鳴き疲れしつがいかな」

「蝋梅の匂い眠りにとどきけり」

「ブローチの眩しく春のありどころ」

「しゃあしゃあと無邪気顔なり風邪の神」

「冴え返る夜ごと夜ごとの唄ありき」

「むだ話声弾けて春となり」

 

 

「旧友と春のひかりをくぐりけり」

「春眠し舟のけはいの青みかな」

「水ぬるむ何ごともなき行き来かな」

「春の陽を惜しんで土に座りけり」

「タンポポや空にはずんで鼓音」

 

「石鹸玉宇宙遊泳ひとつ飛び」

「ドーナッツ口を丸めて春愁ふ」

「太陽を射る矢の如き目刺しかな」

「歓声も拍手も熱き穀雨かな」

「客を待つ春ののどかな小舟かな」

 

「きのうきょうクールジャパンや杜若」

「参道の素足眩しや春を閉じ」

「夏に入る空のあちらもプラネット」

「母の日のひかりの洩れる樹木かな」

「夏帽子あららやっぱり海の色」

「ソーダ水ひるの欠伸はみな同じ」

「今でしょと掛け声ばかりの立夏かな」

第十一号~十三号

「母と子の形同じく蝸牛」

「蟻握る手に血管の青さかな」

「この夏はジャル・アナ乗らずトンビかな」

「空き家にも影絵の如く揚羽蝶」

「紫陽花や藍も薄れて眼に落つる」

 

「蝉遊ぶ鳴くだけ鳴いてさようなら」

「虹ありて水一滴の別れかな」

「吊革にぶる下がってる暑さかな」

「ハンケチの青をぽっけにしまいけり」

「大見得を切って大暑の散歩かな」

「奈落でも落ちてみたい夏の井戸」

 

「眺め入るうなじの白き盛夏かな」

「水音の遠きつぶやき昼寝覚」

「蜜豆や餡に蜜かけ謎を解く」

「夏山の雲重たげな日暮かな」

「みずうみの光を弾くラムネかな」

「月明かり人一人ずつ灯を得たり」

「炎天のヘビーパンチを食らいけり」

 

第十四号~第十五号

「秋澄めりみそぎの如く草に寝る」

「鉄橋のごとんと刻は秋に入る」

「生き残り瓦落多ばかりすいつちょん」

「宮仕え真平御免桐一葉」

「誕生日すっぽんぽんの月夜かな」

「指先にしづかな秋を待ちにけり」

 

「瞬きで雲を呼んでも秋の夕」

「介護の手小声で呼んで秋うらら」

「あべこべに世界を覗く月の裏」

「十円を月に見立てる今宵かな」

「秋きらり水面に鯉のジャンプかな」

 

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