イタリア(ヨーロッパ)におけるF1報道において名うてのジャーナリストでありながら、英語での著述がないこともあってか、日本ではあまり知られていない著者レオ・トゥッリーニ氏。
したがって、これまで彼の書いたものが我々日本人の目に触れることはほとんどなかった。
そんな氏は公私ともに「フェラーリ側」にありながら、アイルトン・セナの人間性に惹かれ、同い年ということも手伝って、親交を深めてゆく。
本書はセナの没後20年となる2014年に本国で発表された作品で、両者の間に育まれた「友情」を縦軸とし、セナにとってキーとなる場所、事象、人物ごとにユニークな切り口でまとめ上げた秀作である。
過去数多世に出た「セナを礼賛する回顧録」や「関係者の証言を交えた"イモラの悲劇"の叙述」などとは一線を画する本書は、全7章を通して筆者の深い洞察力に裏打ちされた描写が随所に光る。とりわけ第1章「帰郷」と第4章「永遠の鈴鹿」で語られる真実には、熱烈なセナ支持者でなくとも思わず引き込まれるだろう。
(三栄書房HPより)
https://honz.jp/articles/-/41997