W杯組み合わせ抽選を前にFIFAがフランスを“救済”?

2013年12月05日 11:56

国際サッカー連盟(FIFA)は6日、ブラジルのリゾート地、コスタ・ド・サウイッピでW杯1次リーグの組み合わせ抽選を行う(日本時間7日午前1時)。それに先立って、同地域同士の対戦を最小限に抑えるためのポット(グループ)分けが3日発表されたが、「FIFAはフランスが“死の組”に入る可能性がより低くなるよう救済した」との見方がイタリアでは流れている。全国紙コリエレ・デッラ・セーラなど各紙が報じた。

各ポットの内訳は以下の通り。

▽第1ポット(8カ国): ブラジル、スペイン、ドイツ、アルゼンチン、コロンビア、ベルギー、ウルグアイ、スイス

▽第2ポット(7カ国): コートジボワール、ガーナ、アルジェリア、ナイジェリア、カメルーン、チリ、エクアドル

▽第3ポット(8カ国): 日本、イラン、韓国、オーストラリア、アメリカ、メキシコ、コスタリカ、ホンジュラス

▽第4ポット(9カ国): オランダ、イタリア、イングランド、ポルトガル、ギリシャ、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ロシア、フランス

第1ポットはシード国で、開催国ブラジルと10月17日に発表されたFIFAランキングの上位7カ国。第3ポットはアジアと北中米の各4チーム。ここまでは事前に確定していた。“問題視”されたのは、第2ポット(アフリア勢とシードされなかった南米勢)、第4ポット(シードされなかった欧州勢)が各8カ国と均等にならなかったことだ。

当初の予想では、シードを外れた欧州勢9カ国の中から、10月時点のFIFAランキングで最下位(21位)のフランスが第2ポットに回ると見られていた。

ところがFIFAは、第2ポットに回る国を、抽選会の直前に無作為(抽選)で選ぶことに決めたのだ。

第4ポットにとどまるか、第2ポットに回るかは、欧州勢にとっては死活問題。「これでサスペンスが増した。(第2ポットに入って)ブラジル、メキシコ、ポルトガル(あるいはオランダ、イギリス)と同じ“死の組”になる危険性が出てきた。一方、第4ポットのままなら、スイス、アルジェリア、ホンジュラスと一緒になることも理論上不可能ではない」とコリエレ・デッラ・セーラ紙は伝えている。

イタリアをはじめとする各国プレスの「FIFAがフランスを救った」との論評に対して、ブラッターFIFA会長は一言、

「抽選なんだから、よりいろいろな可能性が生まれるよう決めたんだよ」。

さて、このような“外野の騒ぎ”に対して、アッズーリを率いるチェーザレ・プランデッリ監督はいたって冷静だ。

「伝統的に、難しい組に入った時のほうが、我々は(結果として)準備が整っている。簡単と言われた組の時は、逆に困難に直面している。だから強い組のほうがいいね」と頼もしいコメント。

しかし、続けて「でもドイツとだけはすぐに当たりたくない。強い組がいいと言ったが、強すぎる組はちょっとね……」と付け加えた。

そして、

「それじゃあ、ドイツとは決勝で?」との記者の質問に、

「Ci metterei la firma.(そうなれば、願ったりかなったりだね)」と不敵な笑みを浮かべた。