ACミラン・インザーギ監督に解任危機? ガゼッタ紙の緊急読者アンケートで6割以上が「監督を交代すべき」

2015年01月25日 14:02

サッカー・セリエAのACミランは24日、今季第20節でラツィオと対戦し1-3で敗れた。名門復活への切り札として今季、ミランの指揮官に登用されたフィリッポ・インザーギ監督だが、これまでのリーグ戦での成績は6勝8分6敗。成績不振を理由に昨年6月に解任されたクラレンス・セードルフ前監督(昨年1月途中から指揮して11勝2分6敗)の戦績を大きく下回っている。とくに、本田圭佑選手がアジア杯出場のためチームを離れた1月は1分3敗と不振を極めている。

「スーペル・ピッポ」の愛称で親しまれた元スター選手を、当初は熱狂的に迎え入れたミラニスタたちの支持も最近では大きく傾き、メディアの間では早くも更迭危機が報じられている。

ラツィオ戦での完敗を受けて、ミラノに本拠地を置くガゼッタ・デッロ・スポルト紙ではウェブ版で「ミランの現状をどう考えるか」と題した緊急読者アンケートを実施した。質問項目と結果は以下の通り。

①責任は誰にあるか

インザーギ監督12.7%、クラブ側78.1%、選手陣9.3%

②今何をすべきか

監督続投37.5%、監督交代62.5%

③もし監督を代えるとすれば、誰ならばチームを立て直せるか

ファビオ・カペッロ(元ミラン、レアル・マドリード、ローマ、ユヴェントス、イングランド代表・ロシア代表監督)15.0%

アントニオ・コンテ(前ユヴェントス、現イタリア代表監督)11.1%

チェーザレ・プランデッリ(元フィオレンティーナ、前イタリア代表監督)5.4%

アリゴ・サッキ(元ミラン、イタリア代表監督)5.7%

セードルフ(前ミラン監督)25.9%

ルチャーノ・スパレッティ(元ローマ、前ゼニト・サンクトペテルブルク監督)37%

上記の結果を見ると、現在のチームの不振は、監督や選手たちよりもクラブ側のマネジメント能力の欠如によるものとの声が強いものの、現状打破のためには監督交代を求めるファンが多く、次期監督には「今ある持ち駒を有効に活用することに秀でた」スパレッティ氏のほか、先に解任されたセードルフ氏の復帰を望む声もかなりある。

後任監督の候補の1人として浮上しているサッキ氏(68歳)は最近、ミラネッロ(ACミランの練習場)でオーナーであるシルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長と会談。一部のイタリアメディアは「サッキ氏が次期監督か」と報じたが、当のサッキ氏は「私には今のミランを指導するパワーはない。それに、インザーギは窮地を乗り越えられるだろう」と否定。ただ、ガゼッタ・デッロ・スポルトによると、下部組織の監督として古巣ミランに復帰する可能性はあるという。
イタリア各メディアによると、ラツィオとの試合後にロッカールームに急行して監督や選手たちと話し合ったアドリアーノ・ガッリアーニCEOは、ラツィオと再び対戦する27日のイタリア杯準々決勝まで、チームにミラネッロで合宿させることを決めたという。

インザーギ監督は、「私が問題? そう思っているなら、すでに辞任しているよ。でも選手たちは私についてきてくれている。ラツィオ戦ではひどい試合をしてしまった。だが、選手たちは全力を出したよ。今のミランは12月までのミランではない。というのも、多くの選手が長期間の故障から復帰してまだ間もない。その代償を我々はいま払っている。(開幕から)4カ月うまくやったことで、少し皆を期待させてしまったのかもしれない。このチームはよい状態に戻る力を持っていると私は思う」とあくまで前向きだが、本田選手が合流する火曜日のラツィオ戦が、インザーギ監督にとっては正念場となる。