ACミランのムンタリ選手、ミラノ中心街を「迷彩カラー」の愛車ランボルギーニを運転中、財務警察に制止され、“身元照合”される
イタリアの警察機構は日本と比べるとかなり複雑で、内務省所属の国家警察(Polizia di Stato)、国防省所属の軍警察(Arma dei Carabinieri=国家憲兵としての性格を持つ)、各自治体に所属する自治体警察(Polizia Municipale)のほかに、財務警察(Guardia di Finanza)というちょっとイカメシイ名称の警察もある。同組織は経済財務省に所属して、脱税などの経済犯罪や密輸・麻薬取引などの組織犯罪の捜査にあたっている。ミラノやローマなどの都市部では、通行中や路上に停めてある不審車両に目を光らせているが、サッカー・セリエAの「ACミラン」の中心選手、スレイマン・アリ・ムンタリ選手(30歳、ガーナ出身)がこのほど、彼らの“検問”に引っ掛かり、路上で身元照会される一幕があった。コリエレ・デッラ・セーラ紙ミラノ版が、5枚の「組み写真」入りで報じている。
プロサッカー選手の多くは、美しく、パワフルかつ高価で、派手な車に“目がない”ものだ。ムンタリ選手もそんな一人。ただ彼の場合は、愛車が少々派手すぎたようだ。
8月29日、金曜日。セリエAの開幕戦を2日後に控えたこの日の朝、ムンタリ選手はミラノ市中心街のパレストロ通りを運転中だった。
車はランボルギーニ。それだけでも目立つのに、彼のランボは何と“全身”迷彩模様のカスタムカー。巡回中の財務警察官に制止させられた。
車から降りてきた男を見て、警察官はムンタリ選手であることに気付いたのかどうか、記事では触れられていないが、ともかく、同選手は、免許証や住民票のチェック、税金の支払いの照合など、“ルーチン”の取り調べを受けることになった。その間、黒の野球帽を後ろ向きにかぶり、両腕を組んだまま愛車のドアに寄りかかり、所在なさげに作業が終わるのを待っているムンタリ選手。数分後、何も違反がないことが確認されると、ムンタリ選手は再び愛車に乗り込むと、中心街に向けて走り去って行ったのだった。
同紙ではムンタリ選手以外にも、派手&超高価な愛車を所有するプロスポーツ選手を写真入りで紹介している。
たとえば--
▽カリム・ベンゼマ(サッカー・フランス代表、レアル・マドリードFW)
クロムメッキした黒の「ブガッティ ヴェイロン」(価格200万ユーロ)
▽レブロン・ジェームズ(米NBAプロバスケットボールのスーパースター)
Rich.B.Calienteによりモディファイされたランボルギーニ・アヴェンタドール
▽マリオ・バロテッリ(サッカー・イタリア代表、リヴァプールFW)
緑・黒・茶の迷彩色のベントレー・コンチネンタルGT
▽フロイド・メイウェザー・ジュニア(史上初めて全勝で5階級制覇を達成した米国人プロボクサー、「プリティー・ボーイ」「金の亡者」の愛称を持つ)
ロールスロイス・ファントムと2台のランボルギーニ・アヴェンタドール
▽アレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナのプロテニスプレイヤー)
《The dog》と書かれたドーベルマンが描かれた日産GT-R
▽エル=ハッジ・ディウフ(サッカー・セネガル代表、「セネガルのクライフ」の異名をとる)
全身金色に塗装されたキャデラック・エスカレード