ACミランのベルルスコーニ会長が、モヒカンカットのエル・シャーラウィ選手に珍アドバイス:「シュートが浮くのは頭を上げて打つから。前髪のトサカに何か重しを載せれば頭が下がり、弾道も低くなる !」

2014年12月01日 22:05

11月30日に行われたセリエAリーグ戦でウディネーゼを2対0で降し、6試合ぶりに勝ち星を挙げたACミランだが、同試合を前にした28日、同クラブのオーナー兼会長であるシルビオ・ベルルスコーニ氏(78歳)がチームの練習場を訪れ、インザーギ監督や選手たちに“熱い”アドバイスを送っていた。ガゼッタ・デッロ・スポルト紙やコリエレ・デッラ・セーラ紙などが報じている。

一時はカルチョへの関心が薄らぎ、クラブ売却の噂が浮上、会長の座から離れていた時期もあったベルルスコーニ氏だが、今シーズンはかつての情熱が戻ってきたようで、毎週金曜日になるとミラネッロ(ミランのクラブハウス)まで足を運び、選手たちを叱咤激励している。

23日のインテルとの「ミラノダービー」では、1点をリードしながら後半に追いつかれ、5試合連続で勝ち星なしに終わっていたが、今季13回目となった(28日の)クラブ訪問でもベルルスコーニ氏は終始上機嫌で、午前の練習を終えて食堂でくつろぐ監督・選手たちを前に、笑顔で2時間近く熱弁をふるった。

「ミラノダービーで、私はチームの改善を感じ取った。君たちはインテルの選手たちにプレーをさせなかった。(相手司令塔の)コヴァチッチを完全に封じ込んでいた。エッシェン、よくやったぞ。メネズのゴールも素晴らしかった。君たちは全力で戦っていた。夢中で走り、情熱を傾けてプレーしていた。これはとてもよいことだ」

「君らの間にいいムードが漂っていることを私は知っている。これからは毎試合進歩していかなければならない。君たちに対して私は、いつも兄やおじさんのような感情を抱いている。君たちが私にそう望んでいるように。3年間休んでいたが、いまこうして会長職に戻って、再び君たちと一緒に戦っていく」

などと選手たちを鼓舞した後、インザーギ監督に対して、

「もっと選手を入れ替えて、多くの選手を試合に起用すべきだ。誰も疎外感を感じることがないように。そうすることで、全選手が常に万全な体調を維持し、献身的にチームにつくす気持ちを持ち続けることができる」と選手起用法に対して再考を促した。

そして圧巻は、ミラノダービーで決定的チャンスにクロスバーに当てるミスショットを放ったエル・シャーラウィ選手への助言だった(もちろんベルルスコーニ氏はサッカーの素人である)。

独特のモヒカン刈りの同選手に対して、ベルルスコーニ氏は冗談まじりに「シュートを打つ際に頭を上げてしまうから球が浮いてしまうんだ。もっと頭を下げて体を前に倒せばシュートは低くなる。前髪のそのトサカに何か重りを載せてみろ」とアドバイスしたのだ。この“珍発言”には「ファラオ」の異名を取るエル・シャーラウィ選手もただただ苦笑するばかり。いかにも「ベルルスコーニ流」の激励だった。

同オーナーのゲキが効いたのか、2日後の試合では(エル・シャーラウィ選手にゴールはなかったものの)「チーム全体としては今季最高の出来」とインザーギ監督が安堵する内容で快勝を収めたのだった。

(選手たちに訓辞を垂れるベルルスコーニ会長と、苦笑しながらもアドバイスに耳を傾けるエル・シャーラウィ選手の様子は、コリエレ・デッラ・セーラ紙オンライン版の動画でどうぞ)

https://video.corriere.it/berlusconi-dice-el-shaarawy-come-tirare-giu-testa-farai-gol/712ff3e2-7730-11e4-90d4-0eff89180b47