ACミランが専用スタジアム建設に向けて始動~候補地は「2015年ミラノ万博」の会場跡地
専用スタジアムへの移転を検討中のACミランは14日、その候補地を「2015年ミラノ国際博覧会(万博)」の会場跡地とすることを決め、同クラブオーナーであるシルビオ・ベルルスコーニ氏の娘で事業担当取締役を務めるバルバラ氏の署名入りの意思表明書をロンバルディア州に提出した。ACミランが同地区への移転検討を公式に表明したのは初めて。現在はインテルとともにサン・シーロで“借家住まい”状態だが、いよいよ“自前”のホームスタジアムの建設に向け動き出した。コリエレ・デッラ・セーラ電子版が報じている。
ロンバルディア州のロベルト・マローニ知事はミラノ万博跡地の再利用策として、サッカー場建設を希望し、昨年11月21日、インテルの新オーナーであるエリック・トヒル氏、ACミランの経営陣と相次いで会談、土地購入を打診した。これに対して、クラブ再建に意欲を燃やすバルバラ氏が高い関心を示し、専用スタジアムの候補地の一番手にリストアップしたという。州への意思表示書の提出期限は3月17日正午となっているが、現在のところインテル側に動きはない。
ACミランが提出した申請書によると、新スタジアムの最大収容観客数は6万人(サン・シーロは8万5000人)で総敷地面積は12万平米。同万博は2015年10月31日まで開催されるが、遅くとも2016年6月までには着工し、2018-19シーズンの開幕に間に合わせたい意向。
クラブ側は州に対し、土地の購入に際して、スタジアムに加え、スタジアム内や隣接の商業施設についても100パーセントの所有権を求めている。この条件が満たされない場合や購入金額で折り合いがつかない場合は、他の候補地を検討するという。
サン・シーロ競技場は1926年9月、当時のACミランオーナーのピエロ・ピレッリ氏が、ミラノ中央駅をデザインした建築家ウリッセ・スタッキーニア氏に依頼して誕生。その後、35年にミラノ市に売却され、45年以降はインテルも同居する形となった。現在、両チームは年間900万ユーロの“家賃”を市に払って試合を開催している。
もし、ACミランが新スタジアムに移転すれば、残ったインテルがサン・シーロの取得権を独占することから、今後のインテルの動きも注目されるところだ。