伊サッカー協会次期会長候補の「人種差別的発言」問題に関して、FIFAが「必要であれば司直の手にゆだねるように」と同協会側に要請

2014年08月02日 16:15

「ここイタリアでは、それまでバナナを食べていた者が(セリエAで)すぐにレギュラーとしてプレーする」とアフリカ人を揶揄する発言をして、国内外のメディアやサッカーファンらから非難を浴びるとともに、一部のクラブチームからイタリアサッカー協会の会長選(8月11日)への立候補を取り消すよう声が上がっているカルロ・タベッキオ氏(イタリアサッカー・アマチュアリーグ協会会長)に関して、国際サッカー連盟(FIFA)がイタリアサッカー協会に対して「必要であるならば、会長選が行われる前に、所轄の司法機関に調査を求めるように」とする書簡を送った。コリエレ・デッラ・セーラ紙などが報じている。

同書簡は、7月31日夜にイタリアサッカー協会の現会長であるジャンカルロ・アベーテ氏のもとに届いた。アベーテ氏は8月1日の同協会の会議終了後、「精査した上で今週末中に返答する、とFIFA側に伝えた。ただ現状では、これ以上の調査の必要性はないことは極めて明らかである」として、タヴェッキオ氏の「人種差別的発言」を司直の手にゆだねる必要はないとの見解を報道陣に示した。

このアベーテ氏の見解に対して、セリエA・ユヴェントゥスのオーナー企業であるフィアットのジョン・エルカン会長は猛反発。「タヴェッキオ氏の発言は論ずるべくもなく、(会長として)完全に不適格。社会的重責を負うことを望む者には、それに相応しい振る舞いが求められる」として、同氏の立候補に反対の態度を表明。また、すでにデメトリオ・アルベルティーニ氏(元ACミラン選手、現同協会副会長)支持を表明している、イタリアサッカー選手協会のダミアーノ・トンマージ会長も「現状では両候補とも支持者を集めて会長選に向けて運動を続けているが、この数日間で状況が変わることを望む」と語り、タヴェッキオ氏が会長選から身を引くべきとの見解を示した。

こうした周囲の動きに対し、1日にイタリアオリンピック委員会のジョヴァンニ・マラゴ委員長と3時間にわたって会談したタヴェッキオ氏本人は「支持者からの同意がある限り、自分は前進するだけ」とコメント、会長選から降りる意思のないことを改めて強調した。