衝撃の光景:ローマ市内の路上に溢れ返る生ゴミに集まる豚の群れ

2014年01月03日 17:46

《Come in India, peggio che in India.》

(まるでインドにいるようだ。いや、インドよりもひどい。)

《Roma fa Schifo》(ローマは吐き気を催させる)というタイトルのブログに、クリスマス期間中、ローマ市内の路上に溢れかえる生ゴミを目当てに集まる豚の群れの写真が掲載され、市民らの反響を呼んでいる。市の清掃行政に対する批判も噴出しており、関係当局も慌てて対策に乗り出した。コリエレ・デッラ・セーラ電子(ウェブ)版が伝えている。

記事によると、同ブログで紹介されている一連の写真は、ローマ市北部の平野を走るドメニコ・モンターニャ通りのゴミ収集場。「もう何日も回収されていない生ゴミが路上に溢れ出し、豚たちが鼻でかき回して食べ物を探し回っている。伝染病が発生しないか心配だ!」とのコメントが付いている。

イタリアでゴミ問題といえば、ナポリを思い浮かべる人が多いだろう。ところが、「永遠の都」ローマもかなりひどい。豚の出現はさておき、とりわけ休暇期間中はほとんど全市において、大型のゴミ収集タンクから溢れんばかりの生ゴミの山が目撃される。有名観光スポットも例外ではなく、路上にゴミが詰まったビニール袋が散乱している。

市の清掃局では、慌てて同地区のゴミ回収と道路清掃に乗り出し、ゴミ処理問題担当議員であるエステッラ・マリーノ氏は「すでに正常な状態に戻った」と終息宣言。さらに「なぜ、この地区で飼育用の動物が野に放たれているのか、目下、原因を詳しく調べており、速やかに関係当局がしかるべき対策を講じる」と言い加えた。

ところが、これに納得できないのが、中道左派である民主党のイニャツィオ・マリーノ市長の反対勢力である中道右派・右派の議員たち。

ジャンニ・アレマンノ前政権時の副市長で、現在はNcd党のローマ市議員団長を務めるズヴェーヴァ・ベルヴィーゾ氏は、

「ローマのゴミ収集問題は、もはや大混乱に陥っている。私は自分のフェイスブック上で、より身の毛もよだつ写真を選ぶコンテストを企画することにした。これらの写真は市民のコメントと一緒にマリーノ市長に送付するつもりだ」と現政権の失政を攻撃する。

これに対して、ゴミ処理担当のマリ-ノ議員もすかさず応戦、

クリスマス期間の収集日は全て遵守されている」と、市職員の怠慢ではないことを強調するとともに、「残念なことに、皆さんも知っての通り、クリスマス時期の家庭ゴミの過剰生産(ディナーやパーティーの残飯やプレゼントの交換に伴うもの)は毎年のことで、ローマ市内のいくつかの地区では臨界点に達している。我々はこうした『負の伝統』を変えるために業務を遂行している」と主張する。

いまや政争の道具と化した感もあるローマのゴミ処理問題。

ただ、同紙サイトに寄せられた書き込みからもわかるように、市民の間には次のような「冷めた目」もある。

「真に恥ずべきは、豚などではなく、ローマの住民たちの悪しき習慣だ。再利用もせずに全て次から次へとゴチャゴチャに放り出す。そんなこと、ローマの道をちょっと歩けばわかるよ。こんな同輩たちに俺はもううんざりしているんだ!」