英大物歌手エルトン・ジョン氏が「ドルチェ&ガッバーナ」の不買運動を呼び掛け ~「人工の子供」との発言に怒り心頭
イタリアを代表するラグジュアリーファッションブランド『ドルチェ&ガッバーナ(D&G)』の創立者でデザイナーのドメニコ・ドルチェ氏(56歳)が伊週刊誌『Panorama』のインタビュー特集の中で、「ゲイカップルが代理母から生まれた子を養子にすることには反対だ」と発言したことに対し、英国人ポップスターのエルトン・ジョン氏(67歳)が激怒、D&Gの不買運動を呼び掛ける騒動となっている。コリエレ・デッラ・セーラ紙など欧州各メディアが伝えている。
ドルチェ氏は、D&Gの共同経営者であり、ともにゲイであるステファノ・ガッバーナ氏(52歳)とともに同誌のインタビューに応じた。
その中でドルチェ氏は、
「私たちは決して家族を作りはしなかった。人生というものは自然の成り行きに従ったものであり、変えてはならないものがある。家族もそのうちの一つである。私はゲイだが、子どもを持つつもりはない」
「私は『化学の子』を認めない。つまり、人工の赤ん坊だ。借りものの子宮、カタログから選んだ精子による‥‥。出産は、セックスという行為の産物でなくてはならない」
などとコメントし、代理母による人工(体外)授精で生まれた子を養子に迎えることに反対した。
ところが、この発言に激怒したのが、同性婚の相手と代理母出産で誕生した2児を育てているエルトン氏。同氏はインスタグラムにこう書き込んだ。
「君たちはよくも私の素晴らしい子供たちを"人工物"呼ばわりしたな。体外受精に対しても批判して‥‥恥を知れ ! それは、異性愛者であろうがゲイであろうが、互いに愛し合っている多くの人間たちに、子どもを持ちたいという夢をかなえてくれる奇跡である」
そして、「あなたたちの考えは、あなたたちのファッション同様時代遅れだ。私はもう二度とD&Gの服を着ることはないだろう」と宣言し、「#BoycottDolceGabbana」のハッシュタグを付けて“不買運動”を呼びかけたのだ。
エルトン・ジョン氏の反論に対し、ドルチェ氏はインタビューでの発言の真意を次のように説明。
「私はシチリア出身で、典型的な伝統的家族のもとで育った。もちろん、それとは違った現実があることを知っているし、違う意見が存在するというのも正しいことだ。ただ、私が受け継いだものはこれなんだ。私は他の人間の決定を裁いたわけではなく、自分の考えを述べただけだ」
さらに、ガッバーナ氏も「私たちは民主主義というものを深く信じている。言論の自由は侵すことのできない基本だ。私たちは自らの信条について語ったのであり、他人の選択について審判を下す意図などなかった」とドルチェ氏を擁護した。
しかし、ソーシャルネットワーク上では、米国人ミュージシャンのコートニー・ラブさんや元プロテニス選手のマルチナ・ナブラチロワさん、プエルトリコ出身の歌手リッキー・マーティン氏ら世界の著名人らからボイコットへの賛同の声が次々と届くなど、エルトン・ジョン氏への「連帯の輪」が広がっている。
https://www.panorama.it/news/cronaca/dolce-gabbana-lunica-famiglia-quella-tradizionale/