生きている文語
俳句を詠むうえで、避けて通れないのが「文語」だ。
現代仮名遣いでいいじゃないかと言えばそれまでの話。
文語には文語の魅力があると思うようになり、最近本格的に勉強し始めた。が、難しい。
「不二ひとつうづみのこして若葉哉」(蕪村)。「うづみ」は「埋(うづ)む」の連用形だ。
口語なら、「埋める」と詠めばいい。
「ほととぎす大竹藪をもる月夜」(芭蕉)。「もる」は「漏る」の連体形。現代口語体なら、
「漏れる」となる。
ともあれ、まずは「動詞」のおさらい。
四段活用、上一段活用、上二段活用、下一段活用、下二段活用、
そしてカ行、サ行、ナ行、ラ行、の4つの変格活用を入れてぜんぶで9種類。
でも、このパターンを覚えるのが難しい。
昔、イタリア語を習い始めた時に、動詞の活用を覚えたときよりも難しいと思っている。
もちろん、こうした基礎的な知識をどう「作句」に活かすかはまた別の問題だけど。
9月に入って、少しテンポが良くなった。2日で10句できた。自然に・・・・・。
「いしょくじゅうみな受け止めてけふの月」
「かの夏や母の詠む句の忘れざる」
「秋の虫折って佇むしづけさや」
「八月の雨ぞ勝手に子を散らす」
「ウクレレの九月といへどやはらかき」
「凡人とならで過ぎぬや彼岸花」
「秋の蝉腰の痛みの泣きどころ」
「銀翼の空を眺むる九月かな」
「初秋や不二遠のける小天地」
「故郷の河に仄見ゆ天の川」