水のように、句を詠めば

2014年09月21日 21:01

最近好んで読んでいるのは、桂信子の句集。最初に彼女の俳句を見つけた時、

その俳句性に驚いた。

「初秋のまひるまぶしき皿割りぬ」「傘立に傘がまつすぐ立って秋」。

俳句にいつも新しいものを求めているところが好きだ。

「表現は平明に、内容は深く」桂信子の師である日野草城の言葉だ。

平明に、平明に求めていくと、「水のようになる」のだそうだ。

あるいは空気のように。

季語で俳句を作るのが好きでないという点も同感だ。

季語は後からついてくる感じがいい。

「長き夜や珈琲の湯気なくなりぬ」(日野草城)。

 

俳句で「ものを考える」のではなく、いまという時間のなかの自分を見つけること、

それが僕の生き方になりつつある様な気がする。

「待ちわびる郵便受けの月明かり」

「狂いなき月の満ち欠け稚魚の翳」

「ヨーグルトの一色(ひといろ)ぐんと秋めく」。