映画監督・脚本家のフランチェスコ・ロージ氏が死去、享年92、世界四大映画祭を制覇した「社会派」のナポレターノ

2015年01月11日 01:16

ナポリ出身の映画監督・脚本家、フランチェスコ・ロージ氏が10日、ローマ市内で死去した。享年92。気管支炎のため、数週間前から寝たきりの状態だった。

ロージ氏はナポリ大学で法律を学んだ後、演劇や映画の道に進み、故ルキーノ・ビスコンティ氏らの下で修行を積んだ。1958年の「挑戦」で映画監督として本格デビュー。国際石油資本の実態を描いた72年の「黒い砂漠」でカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを受賞、62年の「シシリーの黒い霧」でベルリン国際映画祭の監督賞、翌63年の「都会を動かす手」でベネチア国際映画祭の金獅子賞を獲得するなど、「社会派」の問題作を次々と手掛けた。その後は文芸作品も手掛け、79年には「エボリ」でモスクワ国際映画祭金賞を受賞。「世界四大映画祭」を制覇した数少ない映画監督となった。97年には、アウシュヴィッツから奇跡的に生還したプリーモ・レーヴィが故郷イタリアへ戻るまでの8か月の旅を書き記した記録文学のベストセラー『休戦』の映画化作品の監督を務め、これが最後の監督作品となった。また、同年のベネチア国際映画祭では審査員を務め、金獅子賞を受賞した北野武監督に金色の獅子像を手渡している。

https://corrieredelmezzogiorno.corriere.it/napoli/cronaca/15_gennaio_10/addio-regista-mani-citta-morto-roma-francesco-rosi-7d97e1de-98bf-11e4-90ec-43788304a1f4.shtml