復活祭休暇の4月4・5日、ウフィツィ美術館をはじめとするフィレンツェの美術館がストライキのため休館か!?
復活祭ウイークの週末にあたる4月4・5の両日、ウフィツィ美術館やアカデミア美術館などフィレンツェ市内の主要美術館がスタッフのストライキにより休館となるおそれが出てきた。コリエレ・デッラ・セーラ紙が伝えている。
十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストが3日目に復活したことを祝う「復活祭(イタリア語でパスクァ)」は、年によって日付が変わる移動祝日で、今年は4月5日。ヨーロッパ中から観光客が押し寄せる"かき入れ時"に、フィレンツェ市内の各美術館の職員・従業員が所属する労働組合がストライキを打つことを宣言、このほどダリオ・ナルデッラ市長に公開状を提出した。
イタリアでは現在、緊縮財政を受けてダリオ・フランチェスキーニ文化財・観光相が中心となり、国公立の美術館・博物館の運営を請け負う企業の契約見直しを推進しており、フィレンツェ市でも今年9月に新たな請負先を決める競争入札が予定されている。ところが、「新たな請負先において、現在の給与や待遇が維持される保証がない」と労組側が反発し、ストライキ実施を決めたもの。
スト予定日は復活祭ウイークの週末にあたるだけでなく、国が一昨年に導入した「美術館無料開放デー」の日にも重なる。それだけに、ナルデッラ市長の怒りは大きく「ストをすれば、フィレンツェ、いやイタリア全体に対する世間のイメージが損なわれる。イタリア文化・経済にとって、オウンゴールだ!」と糾弾。「労組に対し、この決定を撤回するよう要請する。なぜならば、彼らにとっても、ストによって期待される恩恵をはるかに上回る被害がもたらされるからだ」とスト撤回を強く呼びかけている。
一方、フランチェスキーニ大臣も「驚きのあまり、開いた口がふさがらない。労組側の自虐行為だ。数日前、私はウフィツィの労働者代表と面談し、請負事業の競争入札の勝者に対しても、賃金や待遇面での透明性を保ち、組合に関する条項を入れるよう確約を取ったことを伝えている。それに、競争入札の公示は9月以降なのに、なぜ今ストなのか、全く理解できない」と労組側を批判、スト回避に向け国も介入する意向を示している。
現時点で労組側の方針に変化はなく、今後、両者が歩み寄るかどうかが注目されている。