俳句をイタリア語で詠めば
俳句をイタリア語にするのはとても難しい。
まずイタリア人と日本人の自然の感じ方が違うからだ。
以前、妻がイタリアに仕事に出かけていて、僕と息子は留守番役であった。
で、フェイスブックに「今夜は天ぷら。妻はいない。独活(うど)を買ってみた。
若い茎はやわらかくて、おいしかった。そこで一句。
『まつすぐに連れはイタリア独活きざむ』」と書いて、続けてイタリア語で、
「mia moglie va in Italia
senza pensieri
e trito l’aralia」
と訳してみた。
すると、イタリア人の友人から、「hahahaha」と返事が来た。
とりあえず、意味は通じたのだろう。
ある日の昼下がり、ふと地面を見ると,2羽の鳥が仲良く散歩していた。いいねえ。
『水ぬるむ何ごともなき行き来かな』」と詠んで、
イタリア語訳を
「Acqua tiepida
viavai di gente
senza ragione 」としてみた。
すると、いつもの友人から「すごい!(Che bello!)」と返事があった。
実は、種明かしをすると、「水ぬるむ」を最初 Acqua poco rigidaと訳していたのだ。
ところが、もう一人のイタリア人の友人から待ったがかかった。
tiepida(ぬるい)がいいというアドバイス。
独活の俳句の、「まっすぐに」も、実はsenza scrupoliと訳したのだけど、
senza pensieriの方がベターだという。
俳句は日本語で楽しみたいと言いたいところだが、
たまにはイタリア語で挑戦してみるのも悪くないかもしれない。