介護と民俗学
2014年01月22日 16:49
何かの予感があったのか。1年以上前に、六車由美さん(むぐるまゆみ)の「驚きの介護民俗学」を読んだのだけど、また読み返している。彼女は「神、人を喰らう」でサントリー学芸賞を受賞したれっきとした民俗学者なのだけど、介護の世界に飛び込んだ不思議な人だ。この本を読んで感じたことは、どんな年寄りであろうとも、「輝く時代」があったということ。その時間にタイムスリップして、光を当てると、泉のように湧き出るものがある。それを掬う作業は、介護も民俗学も同じだと、彼女は語っているのだ。僕は、今「介護予防」の世界に入り込んだけれど、利用者の話をじっくり聞けば、きっと鉱脈に出会えるような気がしてきた。「老い」を「終焉」と考えてはいけない。老いこそ、人生の始まりだ。老いたればこそ、光の尊さが分るというものではないか!