今年も新年を祝う花火や爆竹で負傷者が続出

2014年01月01日 20:07

イタリアの“象徴的”な新年祝賀の光景と言えば、花火と爆竹が鳴り響くフェスタ。

除夜の鐘の音を聴きながら来るべき年の健康を静かに祈る、という日本の厳かさとは対照的である。

南部(とくにナポリ)はより熱狂的で、毎年、花火の暴発などによる負傷者が後を絶たない。さらに新年を祝って空に向けて銃を撃つ者もおり、流れ弾を受けて死亡者が出るという悲劇も。

近年、花火や爆竹を使った祝賀祭を禁止する自治体が増え、警察の違法花火(とくに中国製、マフィアの収入源ともなっている)の取り締まりも厳しくなっているが、今年も全国各地で事故が相次ぎ、コリエレ・デッラ・セーラ紙がまとめたところでは、元日だけで43人の子どもを含む350人が負傷した。

ミラノでは、アパートの中庭で遊んでいた7歳の男の子が爆竹で右手を失う重傷を負った。同市ではさらに、8、9、10歳の子供も花火で目や顔などをやけどして入院している。

ローマでは、31日午後8時から6時間の間に23人が負傷し、うち7人が重傷、1人は手を切断しなければならない状態という。救急車の出動は296件で、救急センターへの問い合わせ電話は6027件に達した。

ナポリでは、50人以上が負傷し、家屋や路上のごみや自動車への延焼を消火するため、100件以上の消防の出動があった。

一方パレルモでは、14歳の少年がバルコニーから発射されたとみられる花火に当たって顎や胸を負傷した。

負傷者の数は前年の600人を大きく下回ったものの、未成年者が89人と全体の4分の1を占めるなど、事態が深刻であることには変わりない。