世界サッカー界の名将リッピ氏が監督業からの引退を表明~2006年ドイツW杯でイタリアを24年ぶりの優勝に導く

2014年11月03日 22:41

サッカーの元イタリア代表監督で、現在は中国スーパーリーグの広州恒大を率いるマルチェッロ・リッピ監督(66歳、トスカーナ州ヴィアレッジョ出身)が、監督業を引退することが明らかになった。3日付ガゼッタ・デッロ・スポルト紙などが報じている。

2日に中国スーパーリーグ最終節が行われ、広州恒大は4シーズン連続4回目の優勝を決めた。優勝決定後、リッピ監督は「これ以上監督業を続けることはできない。私はもう歳だ。広州恒大は来季、新しい監督を迎えるだろう」と語った。ただし「私はテクニカルディレクターとしてクラブのスタッフに残るだろう」と語り、今後も広州恒大に留まる意向を明らかにした。

なお、後任監督の有力候補には、リッピ監督の教え子である元イタリア代表主将ファビオ・カンナヴァーロ氏の名前が浮上している。同クラブには現在、アルベルト・ジラルディーノとアレッサンドロ・ディアマンティの2人の元イタリア代表選手が在籍している。

リッピ氏は1982年に現役を引退。アタランタ、ナポリなどの監督を経て、1994-95シーズン、当時低迷していたユヴェントゥスの監督に就任すると、1年目で同クラブに9シーズンぶりのスクデットをもたらした。さらに翌シーズンにはチャンピオンズリーグ(CL)を制し、世界的な名将の仲間入りを果たした。

2004年にはイタリア代表監督に就任。同国伝統の「カテナッチョ」からの脱却を図り、攻撃的な戦術を駆使してチームを作り上げると、2006年のW杯ドイツ大会ではイタリアを24年ぶり4回目の優勝に導き、CLとW杯の両方を制した史上初の監督となった。さらに2012シーズンからは中国の広州恒大の監督に就任し、2013年のAFCチャンピオンズリーグで同クラブを初のアジア王者に導いた。葉巻タバコの愛好家であり、試合中にベンチで悠然とくゆらせる姿が絵になる監督だった。2006年ドイツW杯の表彰式では、葉巻を片手にトロフィーにキスをしている。