世界で最も権威のあるクラシックカーのコンクール『第64回ペブルビーチ・コンクール・デレガンス』で、フェラーリ375MMスカリエッティ・クーペ「ロベルト・ロッセリーニ」が優勝 !

2014年08月22日 00:41

世界で最も権威のあるクラシックカーのコンクール「第64回ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」が今月17日、米カリフォルニア州モントレー近郊で開催され、1954年製「フェラーリ375MMスカリエッティ・クーペ“ロベルト・ロッセリーニ”」が「Best in Show」に輝いた。同コンクールでフェラーリ車が優勝したのは初めて。コリエレ・デッラ・セーラ紙、ガゼッタ・デッロ・スポルト紙などが伝えている。

同コンクールは、高価で珍しい自慢のクラシックカーをオーナーらが持ち込み、その「希少性」「保存状態」などを審査して賞を与えるもの。

今回優勝を飾ったのは、その名が示すように、イタリア・ネオレアリズモ映画の巨匠、故ロベルト・ロッセリーニ監督が、女優で妻のイングリッド・バーグマンのためにオーダーメイドで作らせた「フェラーリ375MM」。そのカラーは「イングリッド・グレー」と呼ばれる。

375MMはイタリアの有名な公道レース(ミッレミリア)にちなんで命名された、F1からのスピンオフ・モデル。エンジンはF1用をベースとしているが、カムシャフトが新しくなり、ストロークが68mmに縮まった一方、ボアが大きくなり、4.5リッターの排気量を得ている。レース用車両として1953年~1954年に26台製造された。もともとはカブリオレだったが、ロッセリーニ氏の希望で55年にクーペに改造された。クーペタイプの車は5台しかないという。

現在のオーナーは、マイクロソフト社の前社長でフェラーリ収集家として知られるジョン・シャーリー氏(米国)。1995年、それまで25年間パリ近郊の地下駐車場に眠っていた同車を購入した。同車は2年にわたって入念に修繕を施され、製造当時の素晴らしい光彩を取り戻した。

「運転装置はオリジナルのまま。今でも運転を楽しめるというのは、それも今回のような由緒ある世界的イベントで走ることができるというのは、この上もない喜びです」。祝福の紙ふぶきの中、授賞式に臨んだシャーリー氏は興奮気味に喜びを語った。

通常同コンクールでは、審査員らは“戦前生まれ”の車に“味方”しがちで、1939年以降に製造された車が受賞するのは、64回の歴史の中でも過去に6度しかない。また、イタリア車としては68年のマセラティ・ミストラル・クーペ以来46年ぶり2度目の受賞となった。

https://motori.corriere.it/motori/auto_epoca/14_agosto_18/pebble-beach-ferrari-rossellini-57c131bc-26f1-11e4-bbeb-633ac699516c.shtml