世捨て人ではないけれど

2013年12月11日 18:02

世捨て人ではないけれど。

どうしたって、世間の馬鹿げた出来事に逆らうことができないと思うと、小説や俳句の世界に没頭する日が多くなる。

この世からくだらないことがなくなるなんてあるはずはないのだから、見たくないものを見せつけられるくらいなら、自分から

見ない方がまだましだと思う。消費税が「若い世代の将来」のためならば、甘んじて受けよう。秘密保護法案が「国を守る」ためならば、やむなく認めよう。クリスマスツリーの飾りつけやイルミネーションをもっと輝かせるために「原発」が必要だと言うのなら、仕方なく眺めてやろう。粗忽な新聞記事を読んでやろう。粗悪なテレビ番組に笑ってやろう。すべてはまやかしだが仕方がない。荷風の言葉を借用すれば、「身過ぎ世過ぎ」なのである。