ローマ市警の交通警官8割が病気などを理由に大晦日の勤務を欠勤~「集団ズル休み」の疑いが広がる
大晦日が夜勤番となっていたローマ市の交通警官の約8割が、体調不良などを理由に欠勤していたことが判明し、イタリア国内で波紋を呼んでいる。大きな混乱は幸いなかったが、事態を重視したレンツィ首相は政府職員をローマ市に送り、聞き取り調査に乗り出した。
コリエレ・デッラ・セーラ紙などの報道によると、昨年12月31日から今年元日の朝までの交通規制や雑踏警戒などを担当するはずだったローマ市の交通警察905人のうち、実に85%近くにあたる767人が欠勤。このうち約570人は「病欠」で、家庭医からの診断書を提出していた。献血促進のために被雇用者に認められている「献血休暇」を申請した者も70人ほどいたという。一方、同市が管理する公共交通運営会社Atacでも、地下鉄A線の電車運行にあたる機関士・乗務員も「病欠」などにより、当初予定されていた24人のうち7人しか出勤せず、電車の運行に30分ほどの遅れが出たという。
イタリアでは公務員の欠勤が社会問題化しており、レンツィ首相は2015年の行政改革のテーマの一つに「公務員に関する業務規定の改定」を掲げている。それだけに、今回のローマ市警の“集団サボタージュ”について「今年は憲法改正と新選挙法の成立を目指す年になるが、ローマのような事態が二度と起きないように公務員法も改正する」とフェイスブックでコメント。マディア行政相も「彼ら欠勤者が懲戒罰にあたるか立証するために、労働基準監督局に調査させる」と言明した。
こうした政府の動きを受けて、ローマ市でも内部調査に着手。マリーノ市長は「数日間待って、もし仮病等の違法行為の疑いが浮上した者については、司直の手に判断を委ねたい。当然、懲戒解雇もあり得る」と話している。