ローマでは、鳥たちだって背筋を伸ばして生きている

2014年09月09日 01:29

お金もないのに、そして掲載するメディアのあてもないというのに『ローマ、癒しのスポット』をテーマに1カ月間の取材旅行を敢行した。

切り詰めた取材費の中で「一点豪華主義」とばかり奮発したのが、「5ツ星ホテルの屋上カフェから眺める永遠の都」という企画だ。

イタリアでは周辺の景観との調和を保つため、歴史的中心街(チェントロ・ストーリコ)の建築物には高さ制限があり、高級ホテルでもMAXは6階建て程度。でも、これくらいの「間合い」が、町並みと自分との絶妙な距離感を生んで心地よい。

ただ、やはりここでも気を付けなければならないのが「スリ」なのだ。といっても、ここでは人間のスリではないのだが--。

あるホテルの最上階のカフェテラスでちょっと目を離していたら、テーブルの上に1羽のトリが立っているではないか。そして、小皿に盛られていたクッキーが空になっている。カメラを取り出して構えても微動だにしない。 「ここは俺の縄張りだ。ローマに来るなんぞ、10年早いわい」とでも言いたげだ。

ここローマで、背筋をピシッと伸ばして暮らしているのは、人間たちばかりではない

鳥たちだって前を見据えて生きている。