大規模レストア中の「トレヴィの泉」:作業開始から1カ月間で、25万人の観光客が訪れて「修復作業の展示」を楽しむ

2014年08月14日 12:32

現在、大規模レストア中の「トレヴィの泉」に、作業開始から1カ月間で約25万人の観光客が訪れて“修復作業の展示”を楽しんでいる。コリエレ・デッラ・セーラ紙が報じている。

「トレヴィの泉」は1762年に完成したローマで最も巨大なバロック時代の噴水。後ろ向きで肩越しにコインを投げ入れると夢がかなうという言い伝えでも知られ、ローマ有数の観光名所となっている。老朽化が進んだため、6月5日から、イタリアの有名ファッションブランド「フェンディ」が資金を提供して、建設以来、最も大規模な修復工事が行われている。同工事では、泉に付着したカルシウムの除去や彫刻の清掃、鉄骨の強度確認に加え、新たなポンプや照明、監視カメラなどの設置が行われる。また、同噴水と“一体”となっているポーリ宮の修復作業も同時に実施される。フェンディが寄付した事業費は218万ユーロ(約3億円)。工事の完了は来年秋の予定。

事業主のローマ市では、工事中も観光客に泉の全景を楽しんでもらおうと、仕切り壁を透明にしたほか、噴水の上に仮設通路を設置、さらに大型画面でイメージを流したり、コインを投げ込むことができる特設コーナーを作るなど趣向を凝らしている。

現在は工事のため水が抜かれ、勢いよく溢れ出る噴水の音を楽しむことはできないが、今までにない場所から彫刻を間近に見ることができるとあって、多くの観光客やローマ市民らが、この一風変わった「空中散歩」を堪能している。

修復作業の詳細については、同プロジェクト専用サイト(イタリア語・英語)にてどうぞ。

https://www.restaurofontanaditrevi.it/