ルガーノで開催中の明治時代の“カラー写真”(幻燈板)を紹介した展覧会が好評
スイス南部のイタリア語圏都市ルガーノの市立文化博物館で現在開催されている『Gento-ban(幻燈板)~スライドの中の1800年代の日本~』が話題を呼んでいる。同展は1月25日まで開催されている。
同展は『第9回キアッソ映像ビエンナーレ(Biennale dell’immagine di Chiasso)』の中の“目玉”イベントのひとつで、19世紀中盤から20世紀初頭までの明治時代の日本を写したカラー写真が展示されている。
世界各地からやってくる人々に対する土産物として、明治時代の横浜や神戸では、日本の風景・風俗を写し取り、鶏卵紙に焼き付けて人工着色を施し、蒔絵などの表紙を付けて製本したアルバムや、ガラスに焼き付けて人工着色を施した幻燈板が盛んに作られていた。その全盛期は明治20~30年代であり、やがて絵葉書に取って代わられることになる。
同展では、「ペリーノ・コレクション」の中から131枚の色鮮やかなガラススライドと手作業で着色された多数のモノクロ写真が出展されている。
横浜の呉服屋で着物の布地を品定めする2人の女性と傍らでそろばんをはじく番頭、商家の玄関前で尺八を吹く虚無僧たち、京都保津川の夏の名物・急流下りの光景、潮干狩りを楽しむ庶民たち、相撲観戦の模様や四つを組む力士たち、キセルを吸う法被姿の若い女性、馬を引いて農作業をする少女など、現代の日本人が見ても思わず引き込まれる画像の数々を、雑誌「l’Espresso(レスプレッソ)」オンライン版でお楽しみください。