ミランの基本システムは、エルシャーラウィ・トーレス・メネスが3トップの4-3-3だが、対戦相手や試合状況に応じて右サイドに本田、さらには4-4-2や4-2-3-1も

2014年09月03日 20:38

9月14日に行われるセリエA第2節で、ACミランはアウェーでパルマと対戦する。ラツィオとの開幕戦で鮮やかな先制ゴールを挙げた本田圭佑だが、これをもってスタメンが確定したわけではない。カギを握るのは、9月に入って新たに加わったフェルナンド・トーレス(スペイン代表)、ジャコモ・ボナヴェントゥーラ(イタリア代表)の移籍組のポテンシャル。3日付のガゼッタ・デッロ・スポルト紙は「彼らの加入によって戦術に幅が出る」として、「基本システムは、エルシャーラウィ・トーレス・メネスを3トップとした4-3-3。ただ、交代選手がそろっているため、インザーギ監督はレギュラー陣のフォーメーションを固定せず、対戦相手や試合展開に応じて本田を3トップの右サイドに入れたり、4-4-2や4-2-3-1を導入するのではないか」と予想している。

ラツィオ戦でのフォーメーションについて同紙は「インザーギ監督は相手ディフェンスのクオリティと弱点を考慮の上、事前に攻撃スタイルを研究していた。相手守備陣のマークが厳しいためスペースがあまり生まれないと読んでおり、パッツィーニはたとえケガをしていなくとも当日はプレーしなかっただろう」と分析。さらに「常に60分で攻撃陣のうちの2人を交代させるつもりでいる、とピッポは言う。その意味では、ラツィオ戦では交代が少し遅れた(本田は77分、メネスは82分に交代)が、これはムンタリが軽傷を負ったこと、そして開幕戦ということでいろいろと見極めなければならないことがあったから。いずれにしても、『4-3-3に固定しているわけではなく、選手全員を最大限に活用したい』が新監督のもう一つの指針である」とコメント。

さらに同紙は、ミランの基本システムについて「(チェルシーから2年レンタルで移籍した)トーレスをメネスの代わりにセンターに置き、メネスを右に回す形が土台になるのでは」と予想するとともに、対戦相手や試合状況により以下のフォーメーションも選択するのではないか、と指摘している。

①カウンター型(4-3-3)

素早いカウンター攻撃主体のフォーメーション。トーレスがセンター、メネスが右、エルシャーラウィが左で、同システムがインザーギ戦術の基本となる。スペースを与えてくれる相手に対して、より最適な布陣とも言える。

②ボール支配型(4-3-3)

対プロビンチャ戦、とくにサンシーロでは、いくつかのチームはボールの支配権をミランに渡して、最初から自陣に“引きこもって”戦うことが考えられる。この時には①の戦術は機能しない可能性がある。これに対応するためには2つの方法がある。まずは「パス重視型」の布陣。パス回しを主体とした攻撃スタイルでもトーレスはセンターとして機能する。この場合、右は本田、左はメネス(あるいはエルシャーラウィ)となる。本田は外からのシュートやパスが上手であり、このような“閉じられた”状況の試合では決め手となりうる。

③対プロビンチャ型(4-4-2)

さらに、防御を固めてくる相手への対策の2番目は、3トップではなく2トップにして、右にパッツィーニ、左にトーレスを置く。この場合、中盤の4人のうち、左サイドはボナヴェントゥーラ、右サイドはポーリとなる。ボナヴェントゥーラの柔軟性が2トップに“火をつける”ことになる。同システムは、1点が必要なゲーム終盤において特に有効となる。

④対ビッグチーム(4-2-3-1)

ユヴェントゥスのような強豪と対戦する際のフォーメーション。トーレスの1トップとし、その後ろに、左からエルシャーラウィ、ボナヴェントゥーラ、ポーリ(あるいはメネス)を並べ、4バックの前にムンタリとデヨングを置く。この頑丈な2人がビダルやポグバらを封じ込める。ポーリは守り、エルシャーラウィは攻め、ボナヴェントゥーラは両方の役割を果たす。

これらガゼッタ・デッロ・スポルト紙の予想フォーメーションを見ると、本田は4-3-3の右FWのみでの起用となっている。