ミラノの日本料理店で、1000ユーロのお勘定に立腹、半額を踏み倒してお客が立ち去る

2013年12月20日 17:00

 ミラノの中心街、ガリバルディ通りにある日本料理店「レストラン大阪」で、グループで訪れたお客4人が1000ユーロの飲食代を半額に踏み倒して店を立ち去るという事件があった。コリエレ・デッラ・セーラ電子版が伝えている。

 同記事によれば、事件が起きたのは18日夜。同店のインド人従業員の話によると、4人のうち3人は男性で、年齢はそれぞれ30歳、45歳、50歳ぐらい、残る1人は女性で年齢は不明、少なくとも3人はイタリア人と見られる。テーブルは予約されており、4人はメニューの中でより高価な料理を次々と注文し、さらに高級ワイン数本と日本酒もオーダー。その間、店員らは彼らに合計額が高額になっていることを知らせていたが、4人は平然と注文し続けたという。

 そんな彼らの顔色が変わったのは、食事が済んでお勘定を頼んだ時だった。942ユーロ(約13万4000円)の金額に対して、口論が始まった。そして、立腹した4人は500ユーロ紙幣1枚をテーブルの上に置くと、立ち上がり、店を出て行ったという。インド人店員は、これ以上言い争いになることを避けて、警察に通報、駆けつけた警察官に事情を説明した。

 ミラノのタウン情報サイト「ViviMilano」のグルメ批評欄によると、「レストラン大阪」は、日本料理店の中では、より満足のいく店のひとつと紹介されている。平均的な料金は1人あたり50~60ユーロ(飲み物代を除く)となっている。

 記事の中では、4人が注文した料理の具体的な内容までは書かれていない。

 ちなみに、同店のHPでディナーメニューを見てみると、以下のようになっている(メニューの一部を抜粋)。

▽寿司盛り合わせ

松(にぎり9貫・細巻3巻) 35ユーロ

梅(にぎり7貫・細巻3巻) 27ユーロ

▽寿司アラカルト(にぎり2貫)

まぐろ 15ユーロ

いくら・うに 13ユーロ

たい・すずき 10ユーロ

▽前菜

冷奴 6ユーロ

枝豆 6ユーロ

餃子 12ユーロ

▽その他

鮭茶漬け 11ユーロ

醤油ラーメン 14ユーロ

ざるそば 14ユーロ

 同記事は、コリエレ・デッラ・セーラ電子版(Web版)のミラノ面で「本日のアクセス数」1位、「週間アクセス数」3位になるなど、イタリア人たちの大きな関心を集めている。読者の“書き込み”も多く、「メニューには料金が明記されていたのだから、それでも注文し続けた4人に問題がある」「これだからイタリア人は泥棒と言われるんだ」などと4人を非難するコメントが多いが、一方で「500ユーロ払ったこと自体、良心的」「正当防衛だ」「日本では40ユーロあれば美味しい寿司と日本酒が楽しめる。魚(少なくともマグロ)はイタリアから輸入されている。それなのに、なぜイタリアで食べるとこんなに高くなるのか」などと彼らに“同情”を寄せるコメントも見られる。

 12月4日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は「和食=日本人の伝統的な食文化」を無形文化遺産に登録することを決めた。世界に和食の「心」が伝わるのはもちろんよいことである。ただ、残念ながら多くのイタリア人にとって、日本料理は「目玉が飛び出るほど」高価という認識があるのは事実だ。