フォルツァ、シューマッハ! いま一度、デッドヒートに勝ってくれ!

2013年12月30日 19:02

年の瀬に衝撃的なニュースが世界を駆け巡った。

F1世界選手権で歴代最多の7度のドライバーズタイトルを獲得したミハエル・シューマッハ(44歳、ドイツ)が29日、バカンス先のフランス・アルプスでスキー中に頭部を打ち、意識不明のまま病院に搬送された。すぐさま手術が行われたが、病院側によると「こん睡状態が続いており、重篤な状態」という。シューマッハは1996年シーズンから2006年シーズンまで11年間フェラーリチームに所属、2000年にはフェラーリに21年ぶりとなるドライバーズタイトルをもたらし、それまでドン底に喘いでいた「赤い跳ね馬」を復活に導き、黄金時代を築き上げた。“イタリアの救い主”の一刻も早い回復を全国民が祈り続けている。

コリエレ・デッラ・セーラ、ガゼッタ・デッロ・スポルトなどの報道によると、事故が起きたのは29日午前11時ごろ。仏アルプスの高級リゾート、メリベルでゲレンデ外を滑走中に転倒し、頭部を岩にぶつけた。シューマッハは、ヘリコプターでいったん地元の病院に運ばれたが、すぐさま治療体制の整ったグルノーブルの中央病院に転送されて緊急手術を受けた。

当初は、「ヘルメットを着用しており、ショックを受けているものの、命にかかわるケガではない」とのスキー場関係者の談話が流れたが、30日午前11時(日本時間午後7時)に行われた病院側の記者会見では、担当医師が「現時点で今後の見通しを立てるのは不可能だ。脳内圧の上昇を防ぐため、人工的にこん睡状態にしているが、重篤な状態が続いている。ヘルメットをしていなかったなら、病院に到着する前に亡くなっていただろう」とコメント。「生存の可能性」に関しては「何も言うことはできない。(少なくとも)彼と同様のダメージを受けた者で、以前と全く同じ状態に戻った者はいない」と答えるにとどまった。

同病院には、1999年の英国GPでクラッシュして重傷を負った際に治療を行った神経外科医が呼ばれ、回復を目指してあらゆる試みが続けられている。

シューマッハはフェラーリ時代、勝ちに徹するその冷酷なまでの振る舞いから、日本のファンからは「ターミネーター」とのニックネームを付けられていた。そうした「勝負師」である半面、愛娘に「ジーナ=マリア」とイタリア名を付けたり、F1表彰台のセレモニーでイタリア国歌を熱唱したりするなど、「イタリア人になりきろうとする」姿勢で多くのイタリア国民を魅了した。

それだけに、フェラリスタたちからは数え切れない声援が各紙ウェブ版の書き込みに寄せられている。

《Forza grande shumi, campione tedesco con la testa dura. Sara' il tuo ottavo titolo e vincerai anche questo.》 

(ガンバレ、偉大なるシューミー、“石頭”のドイツ人王者。8度目の王座への挑戦だが、今回も勝ち取るはずさ!)