フィリピン訪問のローマ法王、ストリート・チルドレンらのもとを訪れて彼らを激励
フィリピン訪問中のローマ法王フランシスコは16日、マニラ市内にあるストリート・チルドレンらの施設を「アポなし」で訪問、彼らを激励した。コリエレ・デッラ・セーラ紙が伝えている。
フィリピンにおけるカトリック信者は、同国民の8割超の約7400万人を数える。ブラジル、メキシコに次ぐ世界第3位、アジアでは最大のカトリック国だ。
ローマ法王の同国訪問は、1995年のヨハネ・パウロ2世以来、20年ぶり。18日に首都マニラで行われる特別ミサには、600万人もの信者が殺到すると予想され、警備などのため首都圏では法王が滞在する19日まで5連休の措置がとられている。
フランシスコ法王は17日、2013年に死者・行方不明者計約7300人を出した台風30号の被災地、中部レイテ島のタクロバンを訪問し、被災者らを励ましたが、フィリピンに到着して真っ先に向かった所が、マニラ市内にあるストリート・チルドレンらの施設だった。
この施設は、フランス人の39歳の司祭が運営する財団「Anak-Tnk」が、同国の絶望した子供たちに自尊心を与えるために1998年に開設。孤児や親に捨てられて路上に暮らすようになった子供たちや体が不自由な子供、廃品回収などをしてお金を稼いでいる少年・少女たちを支援している。彼らの努力によって、これまで16年間にわたって何千人もの子供たちが「地獄の世界」から抜け出すことができた。現在は24の施設に1300人が収容されている。16日に法王が訪れたのはそのうちの1つで300人の子供が暮らしている。
同財団の説明によると、今回の法王の訪比に際して、法王との面会を熱望した子供たちは昨年9月、《Even us ?》と銘打った運動を実施、1000通以上の手紙を法王庁あてに投函した。それでも、まさかその願いが実現するなど誰も考えていなかったという。
ところが、その法王が突然、彼らの家の敷居を跨いで入って来たのだ。子供たちは狂喜乱舞して法王を迎え入れた。
「法王に会えただけでも素晴らしいことなのに、その上、自分の両腕で強く法王を抱きしめることができたんだ!」と10歳のアルヴィン少年は大喜びで語っていた。