バチカンのシスティーナ礼拝堂の照明設備に青色発光ダイオード(LED)が導入される
ミケランジェロの代表作『最後の審判』の祭壇画で知られるバチカンのシスティーナ礼拝堂に、青色発光ダイオード(LED)と最新の空調設備が導入され、このほど報道陣に公開された。コリエレ・デッラ・セーラ紙オンライン版などが報じている。
ローマ法王庁によれば、ミケランジェロをはじめ、ボッティチェッリ、ピントゥリッキオら巨匠たちがルネサンス期に描いたフレスコ画を保護することが狙い。LEDは従来の照明に比べ、熱や紫外線による傷みが抑えられ、文化財などの照明設備に適しているという。また、消費電力量も40%節約することができるという。
同礼拝堂では、これまで照明を暗めにして絵画を保護してきたが、約7000個のLED照明に切り替えたことで内部をより明るくすることが可能となり、天井のフレスコ画などを細部まで鑑賞することができるようになった。
一方、新たな空調設備は、2台のカメラで室内の人数を把握し、室温20~25度、湿度50~60%に保つ。改装には約300万ユーロ(約4億1000万円)がかかった。
今年はミケランジェロの没後450年。バチカン美術館のアントニオ・パオルッチ館長は「ミケランジェロも我々に感謝していると思う」と笑顔で語った。