ナポリターノ大統領が辞任、後任候補の本命はロマーノ・プローディ元欧州委員長か
ジョルジョ・ナポリターノ大統領は14日午前、約9年にわたって務めた大統領職を辞任した。同日、大統領府の中庭で退任式が行われた。89歳のナポリターノ氏は、すでに昨年末に高齢を理由に辞任の意向を示しており、イタリアの欧州連合(EU)議長国としての任期が終わる1月13日限りで退任するものと見られていた。
後任の大統領を指名する議会投票は1月中に始まる見通し。大統領は、最初の3回の投票では上下両院での3分の2以上の得票で選出されるため、新大統領の選出は、レンツィ政権の求心力のバロメータとなる。
後任の大統領候補の中で“本命”と目されているのは、前回も候補になったロマーノ・プロディ元欧州委員長で、与党民主党の多くの議員が推薦している。このほかジュリアーノ・アマート元首相の名前が挙がっているほか、同国初の「女性大統領」を求める声も一部で強く、ロベルタ・ピノッティ防衛相や上院憲法・選挙制度問題委員会のアンナ・フィノッキアーロ委員長を推す動きもある。また、有力候補の一人と見られていた欧州中央銀行のマリオ・ドラギ総裁は、ドイツの週刊紙「ツァイト」のインタビューの中で「推薦してくれる人がいるというのは大変光栄なことだが、大統領職というのは私の仕事ではない。私にとって大切なのは現在遂行している仕事であり、今後も続けていく」と立候補を否定した。