「トレヴィの泉」の修復工事が終了、17カ月ぶりに噴水に水が戻る
ローマ屈指の観光名所「トレヴィの泉」が3日、約17カ月におよぶ修復工事を終えて一般公開された。コリエレ・デッラ・セーラ紙電子版などが伝えている。
トレヴィの泉は1762年に完成したローマで最も巨大なバロック時代の噴水。後ろ向きで肩越しにコインを投げ入れると夢がかなうという言い伝えでも知られている。
トレヴィの泉では2012年、建造物の一部が落下する事故が発生。財政難のローマ市は、老朽化が進んだ噴水に建設以来、最も大規模な修復工事を施すため、資金援助を大手企業に呼び掛け、総工事費200万ユーロ(約2億6500万円)を高級ファッションブランド「フェンディ」が負担することになった。
修復工事では、彫像を照らすため新たに100台以上の発光ダイオード(LED)照明が付けられ、水の酸性度を一定に保つよう配管を交換。さらに泉に付着したカルシウムの除去や監視カメラの設置などが行われた。また、同噴水と"一体"となっているポーリ宮の修復作業も同時に実施された。工事期間中は水が抜かれていたが、市当局では観光客に泉の全景を楽しんでもらおうと、仕切り壁を透明にしたほか、噴水の上に仮設通路を設置、さらに大型画面でイメージを流するなど趣向を凝らしていた。
3日午後、水が再びためられて一般公開されると、かつての輝きを取り戻した泉に観光客らがさっそくコインを投げ入れるシーンが繰り広げられた。