チャオ、アニタ ! アニタ・エクバーグさんに哀悼の意を表して、ローマ市が「トレヴィの泉」に彼女の巨大写真を掲げる
お帰り、アニタ ! 11日にローマ近郊の病院で亡くなったスウェーデン人女優、アニタ・エクバーグさん(享年83)に哀悼の意を表して、ローマ市は13日、チェントロ・ストーリコ(歴史的中心街)にある「トレヴィの泉」の噴水部分上部に、エクバーグさんの巨大写真を掲げた。その模様をコリエレ・デッラ・セーラ紙オンライン版が動画で報じている。
エクバーグさんは、フェデリコ・フェリーニ監督の不朽の名作『甘い生活(La dolce vita)』(1960年公開)に出演。主演マルチェッロ・マストロヤンニと戯れる「トレヴィの泉」のシーンは、彼女を一躍スター女優としたばかりではなく、オードリー・ヘプバーンの『ローマの休日』における「スペイン階段」や「真実の口」同様、同所を観光都市ローマのシンボルとした。エクバーグさんは晩年、ローマ市近くのジェンツァーノという人口2万4000人の町に独りでひっそりと暮らしていたという。
現在、トレヴィの泉は大修繕工事中。このため噴水は水が抜かれているが、周囲には足場が組まれて"遊歩道"のように観光客らが通行できるようになっている。その噴水上部、背後にそびえる建物の壁面に、水槽の縁に腰かけているエクバーグさんの姿が「Ciao Anita」の文字とともに浮かび上がっている。12日午後3時に同巨大写真が掲げられると、詰めかけた観光客やファンらが彼女をバックに「自撮り」する光景があちこちで見られた。
エクバーグさんの葬儀は14日にローマ市内の教会で執り行われるが、遺志により火葬とされ、遺灰は生まれ故郷のスウェーデンのマルメに帰ることになっている。