セリエA: 子どもファンの“罵り”に5000ユーロの罰金

2013年12月04日 16:20

イタリアサッカーのセリエAは3日、ユベントスの子どもファンが試合中に集団で相手チームのゴールキーパーに対して罵詈雑言を浴びせたとして、同クラブに5000ユーロ(約70万円)の罰金処分を科した。新聞各紙が伝えている。

騒動の“発端”は、11月10日にトリノで行われたナポリ戦にさかのぼる。同試合でユベントスのウルトラス(熱狂的サポーター集団)がナポリ地方を差別するチャント(歌詞を付けて唱和するヤジ)をしたため、セリエAは同クラブにホームでの2試合でゴール裏観客席の閉鎖処分を下した。これに対してクラブ側は、空いた観客席に地元の1万2000人の子どもファンを無料で招待することに決定。このニュースは日本でも報道され、「久しぶりにいいニュース」「これじゃお上も文句言えないな」「子どもの童心に見習え」などとファンから好意を持って受け止められていた。

ところが--。1日のホームゲーム、ウディネーゼ戦に招待された子どもたちは、相手GKゼリコ・ブルキッチ(セルビア)がボールを蹴ったり、投げたりするたびに、集団で「侮辱的な罵り」を続けたというのだ。“粋な計らい”がアダになってしまった形の同クラブは、処分決定を受け入れて「今はただ困惑している」と公式ホームページ上でコメントした。

ユベントスでは、ピエモンテ州教育委員会、イタリアサッカー選手協会、ユネスコ・トリノ支部などと共同で「Gioca con me...Tifa con me(僕と一緒にプレーしよう、僕と一緒に応援しよう)」と銘打ち、子どもの教育を目的とした企画を展開中で、今回の無料招待もその一環。それだけに受けたショックは大きいようだ。ただし、「次回のホームゲームのサッスオーロ戦(14日)でも、子どもたちの無料招待は続ける」と同クラブではコメントしている。