ストレス解消等の「革新的テラピー」として、英国のロックスター・スティングがトスカーナに所有する農園でオリーブの収穫作業を呼びかけ
英国の人気ミュージシャン、スティング(62歳)がトスカーナの丘陵地に所有する農園「イル・パラージョ(Il Palagio)」でファンらにオリーブの収穫作業をしてもらおうとメディアなどを通して呼びかけている。英デイリー・テレグラフ紙のオンライン版に掲載されたニュースをコリエレ・デッラ・セーラ紙が紹介している。
報道によると、ステンィグは1999年に同農園(350ヘクタール)を購入。それまで荒地同然の状態だったのを整備して、オリーブやワイン用ぶどうの栽培やハチミツなどの生産を行っている。また、スティング自身も妻のトゥルーディー・スタイラーさんと同地で休暇を過ごしたり、地元住民らが参加するイベントを開催している。
「さあ、みんな腕まくりしようぜ!」をキャッチフレーズに、今回発案されたオリーブ収穫作業だが、参加者らに日当等の報酬は支払われない。ボランティア活動でもない。参加者が1人262ユーロ(約3万6000円)を支払うというもの。このため英国内では「なぜお金を払って仕事をしなければならないのか、逆ではないのか」という声も出ているという。
ところが、スティングに言わせるならば、それには理由があるのだという。すなわち、この収穫作業はストレスやうつ病など精神的な障害を解消するための「革新的テラピー(治療法)」であるという。
では、オリーブの収穫作業に本当にそんな効果があるのだろうか。
コリエレ・デッラ・セーラ紙の取材に対して、イタリア農園主協会は次のようにコメントしている。
「2000以上ものイタリア国内のアグリツーリズムにおいて、スティング氏と同じような取り組みがなされており、緑の上を裸足で散歩したり、樹木を"抱きしめる"ような田園における自然とのふれあいは、我々にリラックス効果やポジティブな活力を与え、最良の治療法であることが科学的にも証明されています」
同農園では「オリーブの摘み取りはピクニックのようなもので、農園のマネジャーが耕作の仕方を教えるレッスンもあり、仕事の終わりには、スティング本人が『メッセージ・イン・ア・ボトル』と命名した高級サンジョヴェーゼ種の自家製ワインを皆で味わったりもします」とPRしている。