シチリア州のある自治体が「国道での最高速を時速10キロとする条例」を制定~その目的は、財政危機で穴だらけの道路を改修できず、事故に遭ったドライバーからの損害賠償請求を避けるため
シチリアのある自治体が「国道での最高速を時速10キロとする条例」を制定して話題を呼んでいる。コリエレ・デッラ・セーラ紙が報じている。
報道によれば、この自治体はシチリア州パレルモ県にある人口約3万のパルティニコ。穴やくぼみにはまって思わぬ事故に遭うドライバーが続出していることから、サルヴォ・ロ・ビウンド町長は、町の中心部を走る国道113号線の主要区間の最高速度を時速10キロに規制するという、一風変わった方法を思いついた。「ゆっくり走れば穴ぼこをよける時間も方法もある」というのがビウンド町長の主張である。もちろん、市民の安全を考えての解決策ではあるが、目的はもうひとつ。被害を受けたドライバーからの損害賠償請求により"アップアップしている"町の財政を救うためでもある。折からの緊縮財政で傷んだ道路を改修しようにもそのお金がなく、それがさらに新たな穴ぼこを生む「悪循環」につながっているという。