キンドル、読んドル
KindleのPaperwhiteを購入した。「キンドル」の魅力は、何と言っても、いくらでも本を詰め込める鞄のようなところだ。活字の大きさを自由に変えられる点も魅力。
ブルーライトではないから目も疲れないはず。ただ、ちょっと持ちにくいところが気になり、皮のカバーを購入した。
今では手から滑り落ちることもない。
重さは、文庫本とちょっと厚目の単行本の中間くらいだろうか。
一回の充電で一週間くらいは楽にもちそうだ。スマホよりずっと優等生である。
アマゾンで「キンドル・無料」のページから、敬愛する漱石の本を50冊くらいダウンロードした。
永井荷風も数十冊入れてみた。
漱石だけで100冊あるというから嬉しい。因みに、ダウンロードは瞬きくらいのスピードで終わる。
僕の「キンドル」は、すでに120冊くらい入った「鞄」になった。もちろん、重さは変わらない。
早速読んでみた漱石の「自転車日記」が面白かった。
ロンドン留学中の話だ。下宿の太っちょのオバサンに、自転車に乗りなさいと言われて、イギリス人の知り合いに連れられて、自転車を買いに行く。悪戦苦闘しながら、自転車乗りを習う光景が実に愉快だ。警官に、ここは馬車道だから、自転車はダメとたしなめられたり、女学生たちにひやかされたり、実に生き生きとした描写で、漱石の姿が目に浮かぶ。うつで苦しんでいた漱石のイメージとは随分かけ離れていた。新たな発見だ。
キンドルをまだ購入していない人たちに、僕はこう声をかける。
「キンドル、読んドル?」。