イタリア在住の資産家、チェスキーナ永江洋子さんが死去、享年82、篤志家として30年以上にわたり数多くの音楽家らを支援し続ける

2015年01月14日 01:09

イタリア在住の資産家で、篤志家として経済的に苦しい立場にある音楽家らを長年支援してきたチェスキーナ永江洋子さんが10日、ローマで死去した。82歳。死因は明らかになっていない。チェスキーナさんの資産管理人が12日、明らかにした。
東京熊本県人会などによると、チェスキーナさんは1932年熊本県生まれ。東京芸大でハープを学んだ後、戦後初の公費留学生としてヴェネツィア音楽院に留学。現地で演奏家として活動するうちにミラノの大富豪レンツォ・チェスキーナ氏と出会い、77年に結婚、「現代のシンデレラ」と称された。82年に夫が死去すると1億9000万ドルもの遺産を相続、その後はベネチアを拠点に、才能ある芸術家や音楽家らを国籍・性別に関係なく30年以上にわたって援助し続けた。ニューヨーク・フィルハーモニーの支援者としても知られ、ウォールストリートジャーナルは「NYフィルの静かな伯爵夫人」と評している。英王室をはじめ、その交友関係の広さでも知られていた。著書に自伝「ヴェネツィア 私のシンデレラ物語」(草思社)がある。

チェスキーナさんの訃報は、コリエレ・デッラ・セーラ紙オンライン版ヴェネツィア面も「博愛家が死去」との見出しで報じている。

https://corrieredelveneto.corriere.it/veneziamestre/notizie/cultura_e_tempolibero/2015/12-gennaio-2015/morta-filantropa-yoko-nagae-ceschina-230836574784.shtml