イタリアの主要鉄道駅の構内に“グルメ”なビュッフェ&イートインが次々と誕生

2014年08月27日 12:09

少し前までイタリアの鉄道駅の構内には、旅行客らに手軽に美味しい料理を提供する場がなかった。あるのはせいぜい、バールや売店のカウンターに置かれた冷凍ピッツァやパサパサになったパニーノぐらい。乗り継ぎ電車の接続を待つ間に空腹を満たしたり、時間を潰したりしたい旅行客・観光客から不評を買っていた。ところが、いまや時代は変わった。ミラノやローマ、トリノ、ヴェネツィアといった主要駅の駅舎内に次々と“グルメ”なビュッフェやイートインが誕生している。コリエレ・デッラ・セーラ紙が伝えている。

まずは、ミラノ中央駅、ローマ・テルミニ駅、トリノ・ポルタヌオーヴァ駅、ヴェネツィア・サンタルチーア駅で営業している「Bistrot Autogrill(ビストロ・アウトグリル)」。同レストランは、自動車でイタリア国内を旅した人ならばお馴染みの、高速道サービスエリアに全国チェーン展開するセルフレストラン「Autogrill」の鉄道駅版だ。

同レストランの“売り”は、ピエモンテ州クーネオ県にある「ポレンツォ食科学大学」(Universita' degli Studi di Scienze Gastronomiche di Pollenzo)と共同でレシピを開発していること。中でも、地元産の食材をセレクトし、旬のものを「地産地消」で旅行者らに提供する“スローフード”に重点を置いている。さらに、駅構内に並ぶカウンターの光景は、さながら都会の市場の中にいるよう。様々な焼きたてのパンやピッツァを揃えたパン屋から、真のナポリのエスプレッソを味わうことができるカフェテリア、フルーツショップ、ワインバーやビールバー、そしていろいろな食べ物がテイクアウトできるフードコーナー。ペットボトルのミネラルウォーターの無料サービスコーナー。無料Wi-Fiや列車の運行状況がわかる電光掲示板も。

さらに、清涼飲料水に関して言えば、ミラノ中央駅には10月までの期間限定で、「San Benedetto」がノンアルコールの特設ショップを営業している。中でもおススメめは「t-surf」と呼ばれる、グルテン・合成保存料・着色剤なしのティー。

一方、「Vyta Santa」の経営理念は、「駅の内部にオアシスを創出する」というもの。洗練された店の内外装のデザインが、「メイド・イン・イタリー」の食材が生み出す風味と融合し、利用者の心をなごませる。さらに、パートナーのワイン製造販売グループ「Santa Margherita」が顧客においしい飲み物を提供する。

また、ヴェネツィア・サンタルチーア駅内にオープンしたピッツェリア&レストラン「F30」は、朝6時から深夜零時まで営業しており、カナル・グランデを望むテーブルにノンビリ腰かけて、お茶をしたり、ピッツァを食べたり、ランチやディナーを楽しむことができる。ワインは100種類の中から選ぶことができる。