よりよい暮らしができるのは山岳・丘陵地帯~「イタリアで最も幸せな町村」ランキング発表、1位ブルーニコ、2位ヴィピテーノと最北端アルト・アディジェ地方の町が上位を独占
『イタリアで最も幸せな町』ランキングがこのほど発表され、イタリア最北端、アルト・アディジェ地方のボルツァーノ県に所属するブルーニコ、ヴィピテーノが1、2位を占めた。
同ランキングは、ヴェネツィア・メストレに本社を置く民間調査機関「Centro Studi Sintesi」が経済紙「il Sole 24 Ore」とタイアップして実施したもの。所得・教育・文化・環境・治安・サービスなど16の項目でのポイントを集計し、全国176町村(中小都市)をリストアップして順位付けをした。ボルツァーノ県は他にも2つの町がトップ10入りを果たした。
同ランキングの地域的特徴を見ると、美しい山や湖に囲まれた北部の都市が上位を占めている。トップ10の内訳は、山岳地帯が5都市、丘陵地帯が4都市で、平野はわずか1都市。
1位に選ばれたブルーニコは、人口約1万5000人。中世の佇まいが残る歴史的中心街の美しさに加えて、①中心街への車両乗り入れを禁じ、自転車利用の普及を推進している②職人たちの工房・商店が有名ブランドのブティックと隣り合わせで共存共栄を図っている③町の新しい行政機構がそれまでの“お役所仕事”を簡略化・能率化し、税の軽減や窓口の行列の解消を実現している④ゴミの分別回収に長年取り組んでいるなど、「伝統」と「変革」のバランスがとれている点が高く評価された。
一方、2位のヴィピテーノは、「澄んだ空気と牧場や森が織りなす”絵葉書のような”美しい光景が、生活の質の高さに融合している」との評価を受けた。“12の塔”によって飾られた広場、エレガントな住居群、さらに表情豊かな路地で「イタリアで最も美しい街並みの一つ」に挙げられている。人口は約6000人だが、夏と冬のバカンス期には国内外から多くの観光客が訪れて町全体が活気づく。中でも、中世の風情漂うクリスマスの市は有名だ。
3位に入ったシルミオーネは、人口約7400人の湖畔の町。ガルダ湖南岸に位置し、古代ローマ時代よりテルメ(温泉保養所)として有名。夏場には、透明な湖水と整備された砂浜を求めて世界中からバカンス客が訪れる。町のシンボル、中心街にある13世紀の古城の塔からは、湖とアルプスの峰々の素晴らしいパノラマが堪能できる。
トップ10は以下の通り
①ブルーニコ(Brunico) ボルツァーノ自治県
②ヴィピテーノ(Vipiteno)ボルツァーノ自治県
③シルミオーネ(Sirmione)ブレシア県
④アッピアーノ・スッラ・ストラーダ・デル・ヴィーノ(Appiano sulla strada del vino)ボルツァーノ自治県
⑤バルドリーノ(Bardolino)ヴェローナ県
⑥イゼーオ(Iseo)ブレシア県
⑦カルダーロ・スッラ・ストラーダ・デル・ヴィーノ(Caldaro sulla strada del vino)ボルツァーノ自治県
⑧アルジェラート(Argelato)ボローニャ県
⑨アルバ(Alba)クーネオ県
⑩カレンツァーノ(Calenzano)フィレンツェ県
各町の素晴らしい景色をコリエレ・デッラ・セーラ紙のウェブサイトでお楽しみください。