ひまわり俳句新聞24号発行しました
ひまわり俳句新聞24号
https://drive.google.com/file/d/0B36cOsPMb0r_MEZrVzc0cnZ3V2M/edit?usp=sharing
<母の俳句>
八月の波に木っ端の戯れる
一日たりとも忘れない蟻歩く
三伏や先ず声聞く電話口
見舞終え膝ガクガクとする涼気
喧騒をすいと浚って夕立風
人波を逸れて病む子の片かげり
飛び込めば西日に投げて黄金虫
こどもらの向日葵畑の迷路喜々
遊ぶ子の声の漲る大暑かな
笑う子も泣く子も育つ日日草
ほほずきや遊び心をふくらます
包丁に触れて声出す西瓜かな
日々老いてふと望郷の濁り鮒
茄子漬の色艶めでる爺と居て
「はったい」や卒寿の爺の仲間内
葛餅や波長合せる「みつ」「きなこ」
空中庭園枝払う雲掴む
夏の靴ママのリズムや抱っこの子
サーファーのするりと躱す波頭
夕焼や隣家に廻す回覧板
<息子の俳句>
おにぎりの尾根にごま塩夏休み
ゴーヤ花南を向いて吹かれ居り
夏涼しいつもどこかで初対面
夏怒涛沈んだときも浮くときも
ひと夏の雲のかたちの愉しさよ
音だけのテレビに向かふ夏見舞
空蝉の関節鳴らす音あらず
汗拭い乾パンかじる映画館
つり革の握り拳やアロハシャツ
夜濯ぎにつばの曲がりし野球帽
炎天に柱の影も仁王立ち
暮れなずむ通りのカフェは茄子の紺
金魚鉢金魚の消えた水うつろ
うたたねや川風抜ける夏座敷
辛ければ特等席の夏料理
夏空を遊び尽くせり鳥の群
たけのこの頭抜け出す気迫かな
芯をもて幾重に纏ふキャベツかな
古鞄廊下の隅で夏の夢
暇つぶし逆さに読んでトマトかな