ひまわり俳句新聞29号を発行しました
ひまわり俳句新聞29号
https://drive.google.com/file/d/0B36cOsPMb0r_RUNZbGExS0NGWUU/view?usp=sharing
<母の俳句>
「街中の猫」
猫たちの自慢は髭の
冬ぬくし
枯菊や猫撫で声の
猫が来る
黒猫の黄金の目玉
十二月
御先祖は遊女の膝の
かじけ猫
数え日や看板猫の
大欠伸
餌付され猫目をそらす節季かな
■
湯豆腐や忠実忠実(まめまめ)湯気の香りかな
酒の粕少女時代の
つまみ食ひ
極月や病院通ひの
世事疎し
傍にラジオの誰かと
居る霜夜
どっぷりと自性清浄
柚子湯かな
健脚の頃のあなたの
冬帽子
バス揺れて赤子も揺れる四温かな
駄々捏ねる病の爺の
春まじか
五郎助やオツムが笑うオムツして
街並の浮足立ちし
クリスマス
少年はカメラを拒む
聖夜かな
お隣の春待月の
山羊と会う
病む子居て草にも祈る小晦日
目いっぱい泣いて笑って大晦日
<息子の俳句>
冬越えのカマキリ見事
十字切る
冬ざれの道に雨水
たまる夜や
膝並ぶ冬日のなかの
足湯かな
青空に切り絵のような
紅葉かな
そわそわもいつものごとき年の暮
枯草のおもはぬ温さ
触れにけり
青強くイエスを照らす聖夜かな
霜枯れて無人電車に
揺られたし
極月の鳩の首振る
尾っぽ振る
よくもまあ三代干支の
兎かな
千両やほのと頬染め表彰台
若き日の黒を好みし冬鴉
「父へ」
病室の父を包むる
寒夕焼
冬萌やいざ出陣手術室
寒風や満身創痍の
から元気
病床の父に差し入れ
寒卵
月冴ゆる命ある人
見舞ふ日は