ひまわり俳句新聞28号発行しました
<母の俳句>
子宝やみんな揃って
亥の子餅
山茶花や今は老々
昭和の子
草珊瑚シルバーカーをひきとめる
舞う落葉地の神様に
風の神
ぎこぎこと突っ交い棒の冬日陰
小春日や天の恵みの
しのびやか
北風や飛んで何処まで膝小僧
子供らは冬空の中
さかあがり
冬将軍群れる子供の
奇声かな
柿の菓子里の香りも
冬景色
葉脈の絵柄それぞれ冬ざるる
朴落葉「ポン」と膝打ち立ち上がる
診察を待つ長椅子の
日短か
若返る老病み生きて
冬帽子
これはこれは厚着の爺の重みかな
ふわふわと老々介護
床暖房
老いて未だ蓮っ葉賢女日向ぼこ
憧れの小景をみる
シクラメン
ひよどりのヒーヨヒーヨとひとしきり
病める子の声に応えて寒雀
<息子の俳句>
冬浅し父母並び笑ひけり
梟やねむたき声の老女をり
泥のごと揉まれ家路の
暮早し
裸木や家はからっぽ猫散歩
ボス猿の冬日のあたる
毛づくろい
ごほうびのラーメン旨し
初氷
セーターのどこから見ても
青が好き
ミルフィーユ温さ閉じ込め
冬支度
バス停の風に傾く冬来る
空き缶のラべル剥がすや
小春空
鉛筆の減る勢いや十二月
老婦らの自慢話や寒雀
マフラーの絡む木を抱く
夕べかな
「父へ」
蔦枯れて葡萄酒の赤
残りをり
蔦枯れて注ぐ葡萄酒
とくとくと
来月号もご期待下さい。