ひまわり俳句新聞23号を発行しました

2014年07月05日 23:53

ひまわり俳句新聞23号

<母の俳句>

 

七月や地団駄を踏む脚も萎え

 

星七ッ放ッ大空てんとう虫

 

雉鳴くや刹那の声の天を突く

 

マンションの居心地問われ吊忍

 

青梅の琥珀に移る砂糖漬け

 

梅干しの天神様に歯が立たず

 

いまさらに何ぞ清めむ御禊かな

 

鎌倉の馴染みの寺の七変化

 

あじさいや雨たっぷりとおいしそう

 

草臥れて腰をおろせば草優し

 

大輪の花の軸ずれ芙美子の忌

 

道草や草に指さしなんだっけ

 

夏川の流れ堰き止むはげしさや

 

なぞなぞや老いぼれ婆のゴマの蠅

 

それぞれにこどもの寝言明急ぐ

 

とぐろ巻く蛇の真ん中おのれ顔

 

蛇が出た仰け反る靴に触れて消ゆ

 

砂時計流るる音や蛇の這う

 

易々と蛇登りおり柿の枝

 

たおやかにきりり尾が這う蛇くねる

 

<息子の俳句>

暑気払いホットミルクを一気飲み

 

ままごとやグルメばかりの夏旺ん

 

からっぽの旅行鞄や麦の秋

 

ブラジルの空にぴったり天道虫

 

紫陽花はもしもの話赤と黒

 

けふもまた水動きいる夏霞

 

石畳光るローマは枇杷のいろ

 

背番号なくとも夏は弾けけり

 

夏シャツの誰にも負けぬ白さかな

 

昆虫の目と目をあわす芒種かな

 

ふくらはぎもりもり歩く日傘かな

 

打ち上げし球の真下に梅雨の蝶

 

主なき麦藁帽子ひと休み

 

落球の落ちゆく夏の白さかな

 

ずっしりと球受け止めて夏来る

 

先輩も後輩もいざ夏の陣

 

手料理の母は万力蓮の花

 

身の痛みまっすぐ落ちよ青胡桃

 

うごかざる針も身の内青嵐