ひまわり俳句新聞23号を発行しました
ひまわり俳句新聞23号
<母の俳句>
七月や地団駄を踏む脚も萎え
星七ッ放ッ大空てんとう虫
雉鳴くや刹那の声の天を突く
マンションの居心地問われ吊忍
青梅の琥珀に移る砂糖漬け
梅干しの天神様に歯が立たず
いまさらに何ぞ清めむ御禊かな
鎌倉の馴染みの寺の七変化
あじさいや雨たっぷりとおいしそう
草臥れて腰をおろせば草優し
大輪の花の軸ずれ芙美子の忌
道草や草に指さしなんだっけ
夏川の流れ堰き止むはげしさや
なぞなぞや老いぼれ婆のゴマの蠅
それぞれにこどもの寝言明急ぐ
とぐろ巻く蛇の真ん中おのれ顔
蛇が出た仰け反る靴に触れて消ゆ
砂時計流るる音や蛇の這う
易々と蛇登りおり柿の枝
たおやかにきりり尾が這う蛇くねる
<息子の俳句>
暑気払いホットミルクを一気飲み
ままごとやグルメばかりの夏旺ん
からっぽの旅行鞄や麦の秋
ブラジルの空にぴったり天道虫
紫陽花はもしもの話赤と黒
けふもまた水動きいる夏霞
石畳光るローマは枇杷のいろ
背番号なくとも夏は弾けけり
夏シャツの誰にも負けぬ白さかな
昆虫の目と目をあわす芒種かな
ふくらはぎもりもり歩く日傘かな
打ち上げし球の真下に梅雨の蝶
主なき麦藁帽子ひと休み
落球の落ちゆく夏の白さかな
ずっしりと球受け止めて夏来る
先輩も後輩もいざ夏の陣
手料理の母は万力蓮の花
身の痛みまっすぐ落ちよ青胡桃
うごかざる針も身の内青嵐