「ミラン本田」入団会見:“ウェルカムムード”は本日限り、これからは世界一“厳しい”評論家&サポーターが手ぐすね引いて待っている

2014年01月09日 23:35

イタリアサッカー・セリエAの名門ACミランに移籍した日本代表MF本田圭佑(27)の入団会見が8日、チームの本拠地・サンシーロ競技場内で行われた。その模様は翌9日の新聞各紙で大きく報じられたが、中でもイタリア最大のスポーツ紙でミラノに本社を構えるガゼッタ・デッロ・スポルトは、1面から3面までを使うVIP待遇。1面では「ホンダマニア」の大見出しで、「スーパースターにふさわしいプレゼンテーション~ミランは一人の日本人の情熱に“跨る”」と持ち上げた。2、3面は見開きで、会見後の初練習でミランきっての人気選手・カカ(2007年度欧州最優秀選手)と“ハグ”をするシーンやバロテッリ(イタリア代表)、デ・ヨング(オランダ代表)と真顔で話し合う本田の写真を掲載。また、一足早くインテルでレギュラーとして活躍している長友佑都の「これまで日本で、セリエAでのダービーといえば、『中田英寿VS中村俊輔』といった日本人選手同士の戦いを指していたが、これからは真のダービーが始まる」と、来年5月4日に予定されている「ミラノダービー」に寄せる熱いコメントを紹介。

全体的に“祝賀ムード”を前面に出した紙面展開だが、行間に「これからはプレーや人柄でファンの心をつかんでいかなければならない」とのニュアンスを漂わせている箇所も。たとえば、

「イタリアでサッカーといえば、日本よりはるかに《sacro(聖なるもの)》である。サポーターたちの熱狂はすさまじく、選手たちは毎日批評に晒される。さらに、イタリアのサッカー評論家は世界一厳しいということも、本田選手には言っておきたい」との長友のアドバイスを紹介。

さらに、ジャンニ・リベラ(1960~79)、ルード・フリット(87~93、94)とバロンドール(欧州最優秀選手、イタリア語ではPallone d'Oro)に輝いたスーパースターをはじめ、ボバン(92~01)、ルイコスタ(01~06)、セードルフ(02~12)ら、過去に「10番」を背負ってきた選手たちを取り上げ、「彼らに続いて本田がミランの新しいシンボルになるためには、サンシーロの観客たちに自分が『純然たる創造力の持ち主』であることを証明しなければならない」と論じた上で、「それに比べたら、監督たちを納得させる方がはるかに易しい」とコメント。ミランで「伝統の10番」を背負うことは、尋常ではない重圧と戦うことを意味するとした。