「イタリア、パスタの旅」 第二回「ナポリ風フジッリ」
世界の「高齢化率」のトップは日本(23%)ですが、イタリア(20、4.%)もそれに迫る数字を示しています。
65歳以上の年齢人口が、14歳以下のそれをすでに上回っているのです。
ちなみに、高齢化率とは65才以上の人口が全人口の何%を占めるかというもの。
イタリアは、2020年には22、8%にまで増加すると予測されています。
でも、誤解を恐れずに言えば、「長寿社会」というのは決して悪いことではないということです。
お年寄りが長生きすることで得られる知識や経験を、末永く次世代に残せるという事ではないでしょうか?
前置きが長くなりましたが、その一つが「マンマの料理」です。おばあちゃんから孫に伝えられるレシピは
何世紀にもわたって伝えられます。
さて、「イタリア、パスタの旅」の第2回目は、南イタリアのナポリの料理「ナポリ風フジッリ」(Fusilli alla napolitana)。
イタリアでは、一つの料理が二通りのスタイルに“変身”することがよくあります。このレシピもその一つ。
おいしい肉の煮込みをパスタソースに変身させました。しっかりした味の赤ワインが合いますね。
■材料(4人分)
・フジッリ 340g
・子牛の赤身肉740g(または切り身8枚)
・玉ねぎ 中2個
・にんじん 1本
・セロリ 茎1本
・にんにく 2片
・ベーコン 60g
・パセリ 2枚
・トマトペースト 大さじ2
・辛口の白ワイン 2/3カップ
・サラミ10g
・パルミザンチーズ 大さじ2
・リコッタチーズ 140g
・バジリコの葉1枚(飾り用)
・塩と黒胡椒 少々
■所要時間 3時間半
■作り方
①にんにくとベーコンをスライスする(半量)。パセリをみじん切り。にんにくとベーコンを混ぜる
②肉に切り込みを入れて、ニンニクとベーコンを差し込む
③糸で肉をしばる
④玉ねぎをスライスする
⑤セロリ、にんじん、残りのにんにくとベーコンをみじん切りにする
⑥鍋にオイルを熱し、⑤の野菜とベーコンを2~3分炒める。そこへ玉ねぎを加え、やわらかくなるまで火を通す
⑦肉を鍋に入れ、表面にまんべんなく焦げ目がつくように焼く。このとき、肉汁が出るように穴をあける。
ワインをすこしづつ注ぎ入れ、弱火で1時間ほど煮る
⑧トマトペーストをコップ一杯の水で薄め、肉の上にかける。塩、こしょうをして蓋をする。
とろ火で約2時間火にかけておく
⑨サラミを小さく切り、リコッタチーズを裏漉しする
⑩たっぷりの湯を沸かし、塩を入れてパスタをゆでる
⑪肉を鍋から取り出し、できるだけ冷めないようにしておき、パスタのあとのメインディッシュにする
⑫ソースの半分をパスタにからめ、パルミザンチーズとこしょうをかける
⑬パスタを人数分の皿に盛り分ける
⑭裏漉ししたリコッタチーズを上にのせて、バジリコの葉を飾って出来上がりです
■フジーリを生パスタで食べたい方は、パスタをこねたあとで、スパゲッティのように細く切ってから、
5センチくらいの長さにもう一度切ります。
そこで使うのが、数ミリの細い棒。イタリアの金物屋なら必ず売っています。
5センチくらいの大きさのパスタをこの棒でぐるりと捩じれば、生のフジーリが出来上がり、
というわけです。
ナポリ
カンパニア州の首都ナポリ。庶民と食通の街です。近郊には、ヴェスヴィオ山の噴火で灰の下に埋まった
ローマ時代の街がそのまま保存されたポンペイやエルコラーノがあり、夏のリゾート地アマルフィ海岸やソレント、
華麗な王宮と庭園のカゼルタなど、見所は尽きません。