“人種差別的発言”のタヴェッキオ氏がイタリアサッカー協会の会長選で勝利
イタリアサッカー協会(Figc)の会長選が11日、ローマ近郊の「フィウミチーノ・ホテルヒルトン」で行われ、カルロ・タヴェッキオ氏(71)=伊サッカー・アマチュアリーグ協会会長=が、元イタリア代表で現・Figc副会長のデメトリオ・アルベルティーニ氏(42)を破って新会長の座を獲得した。コリエレ・デッラ・セーラ紙など各紙が伝えている。
「ここイタリアでは、それまでバナナを食べていた者が(セリエAで)すぐにレギュラーとしてプレーする」との人種差別的発言で国内外のメディアやサッカー関係者・ファンらから非難を浴びていたタヴェッキオ氏だが、フタを開けてみれば全体の63.63%の票を獲得した。
票数の上ではタヴェッキオ氏の快勝にも見えるが、今後の協会運営の舵取りは決して楽ではない。セリエB、レーガ・プロ、セリエDなど下位カテゴリーからの全面的支持を受けて新会長の座をつかんだものの、セリエAは真っ二つに分裂。ユヴェントゥス、ローマといった有力クラブが公然と同氏に対して反旗を翻した。さらに、選手協会や監督協会もアルベルティーニ氏の支持を表明していた。この日も、「協会内には2つの“精神”がある。今後、協会の役員会は分裂し、諸改革を早急に実行に移すことは簡単ではなくなる」と“新政権”発足に異を唱えたユヴェントゥスのベッペ・マロッタ代表取締役に対して、タヴェッキオ氏の有力支持者であるラツィオのクラウディオ・ロレート会長が「セリエAが分裂だって? 誰がそんなことを言ったんだ ! タベッキオ氏の勝利は、サッカー界全体にとって、そしてイタリアのサッカーを一新する可能性を持つという勝利である」と噛み付くなど、すでに内紛状態を招いている。
なお、イタリア代表チームの新監督は、8月18日に選出されると見られている。