オリーブオイルソムリエ

2014年06月08日 20:02

イタリアのオリーブオイルソムリエの女性にお話を伺った。いや、目からうろこ。オリーブオイルの奥深さを教えていただきました。

 

今や老若男女を問わず人気のオリーブオイル。美と健康の代名詞と呼んでも過言ではありません。

古代から神聖な樹木とされているオリーブに魅せられた大石知子さんは、オリーブオイルを中心とした食生活でアトピー体質を改善した一人。

「自然由来のEXV.オリーブオイルは体に良いと信じて使い続け、その効果を確信しました」。

イタリアオリーブオイルソムリエ協会が認定する「オリーブオイルソムリエ」の資格を取り、

イタリア関連団体やデパート、カルチャーセンターで普及活動に務め、オリーブオイルの広報役を担っています。

「声がかかればどこへでも行きます。オリーブオイルの魅力を多くの方に知ってもらいたいから」と明るい笑顔が印象的。

「オリーブオイルには抗酸化成分がたっぷり含まれています。特にオレイン酸、ポリフェノール、ビタミンEなどが豊富で、

体の酸化や血管の老化を防止します」。

専門的な知識になればなるほど難しい表現になりがちですが、大石さんはオリーブオイルを使った地中海式ダイエットの話から、

オリーブの木の剪定の仕方、圧搾技術などその製造過程についてとても分かりやすく解説してくれます。

一方で、価格では分からないクオリティーの話になると彼女の表情も心なしか陰ります。

「日本のオリーブオイルの分類は、主要産出国である海外といまだに異なっています。エキストラバージンオリーブオイルとは、

オリーブの実を搾ったバージンオイルのうち、酸度が0.8%以下で特に良質なものをいいます」。

ところが、日本では精製オリーブオイルとヴァージン・オリーブオイル(酸度2%以下)がブレンドされたオリーブオイルが

「ピュア・オイル」をして売られているというのです。

「できるだけ、生食も加熱調理にもエキストラヴァージンオイルを召し上がってください」と大石さん。

では、良質なオイルの見分けはどうすればよいのでしょうか。

「まず信頼できる輸入者や販売者(店)から購入するのがベストです。またはボトルに記載されているDOP(保護原産地呼称)など

欧州連合の定めた農産物および食品に対しての品質認定マークも、オイルの内容やオーガニック製品などのガイドにもなります」。

大石さんは毎年イタリアに出向きます。生産農家を訪ね、収穫に立ち会うことも。イタリアのリグーリア州ジェノヴァから南西に

およそ百キロに位置するインペリアを訪ねた日のこと、村の人たちが楽しそうに収穫している姿に感銘を受けたそうです。

「まるでお祭りのような雰囲気でした。ブルスケッタ(香ばしく焼いたパン)にしぼりたてのオリーブオイルを

たっぷりつけて食べるんです。贅沢でしょ。青々とした鮮烈な香りも新鮮でした」。

良質のオリーブオイルには飽きがこないそうです。

オリーブオイルにすっかり魅せられた大石さんですが、食卓はどんな感じなのでしょうか。

「4〜5種類以上のオイルを常備しています。産地によって味と香りのヴァリエーションがあるんです。

今日は和食だからリグーリア産かガルダ湖のマイルドなものにしようとか、自然の辛味や苦みがほしいときは

トスカーナのスパイシーなものにしようとか、味だけでなくその地方に思いを馳せるのも楽しいですね」。

野菜に、パスタに、和食に、オールマイティーなオリーブオイルですが、おかずにいっぱい使うので、まだ味噌汁には使ったことはないそうです。

医学的にも栄養学的にも、生産者の立場からも、グルメの視点からも奥の深いオリーブオイル。

イタリアのようなスローフードの国でも、オリーブオイルを取り巻く環境は日進月歩であるがゆえに、

探究心を忘れないようにしたいと語る大石さん。その穏やかな表情の中に一貫した強さが垣間見えます。