本田のアジア杯出場にACミランのガッリアーニ副会長が難色を示す
いまや完全にチームの中心選手に成長したACミラン本田圭佑。同選手を昨年末に移籍金なしでCSKAモスクワから引き寄せたアドリアーノ・ガッリアーニ副会長は、自らの"先見の明"と手腕を自画自賛する一方で、来年1月に本田がアジア杯出場のために1カ月間チームを離れることに対して難色を示している。ガゼッタ・デッロ・スポルト紙が伝えている。
本田のFK弾などで4試合ぶりに勝利をつかんだキエーヴォ戦。試合終了後、ガッリアーニ副会長はご機嫌だった。
「昨年、彼らは本田の弟を我々に送って来たんだ。それで我々は抗議したんだ。そうしたらヤツらは本物の本田を送って来たのさ」
と、まずはジョークで切り出すと、こう続けた。
「あのプラティニだって、イタリアに移籍した最初の年はほとんど何もできなかった」
サッカー界のレジェンドを引き合いに出して、本田もミラノの水になじむのに時間が必要だったことを強調。続いて話は、移籍金なしで本田を連れてきたことに及び、「大金を払って選手を買うよりも、コストゼロで選手を獲得するほうが(マネージャーとしての)能力が求められるのさ」と自らの手腕を自画自賛した。
と、ここまではご満悦のガッリアーニ氏だったが、話題が来年1月のアジア杯に及ぶと、一転顔色が曇り、真面目な顔に戻って、こう語った。
「私は絶望している。本田は我々にとって大切な選手であり、その彼が丸々1カ月も不在というのは大きなマイナスだ」
昨季はリーグ8位に沈み、チャンピオンズリーグ(CL)はもとよりヨーロッパリーグへの出場権も逃したミラン。名門復活を期し、毎週のようにミランの練習場(ミラネッロ)を訪れては監督・選手たちに檄を飛ばしているオーナーのシルビオ・ベルルスコーニ氏の至上命令は「CL出場権の奪回」。そのためには、本田の長期離脱はぜひとも避けたいだけに、今後、クラブ首脳と日本サッカー協会との間で"駆け引き"が繰り広げられるのは必至だ。