チームの一体感が生んだ本田の先制点~「10秒02のマジック !」と伊紙が絶賛!
8月31日に行われたラツィオとの今季開幕戦で、前半7分に「股抜き」シュートで先制点を挙げた本田圭佑。翌日のガゼッタ・デッロ・スポルト紙ではオリヴェーロ記者が「10秒02のマジック」とその得点シーンを讃えている。
「君たちはいったい10秒02の間に何ができる?」との書き出しで、同記者はミランの先制点を「スカイスポーツ」の映像を転載してリポート。
試合開始後6分34秒からすべては始まった。ボネーラが自陣でボールを奪うと“ピルロ譲り”の絶妙なパスをエルシャーラウィに送る。エルシャーラウィは相手ディフェンダーを振り払いながら左サイドを猛然と駆け上がると、これまた右サイドから全力疾走でゴールに向かう本田にグラウンダーのクロスを放つ。これを本田はダイレクトでGKの股間を抜いてゴール~。この間、時間にしてわずか「10秒02」。
「ウサイン・ボルトの100m走のタイムには及ばないが、グラス1杯の水を飲んだり、あるいはタバコを取り出して火をつけたり、電話番号をプッシュしたりするのと同じ時間。たった10秒02で、ピッポ・インザーギはミラニスタたちに、“元の”ミランを返してあげ、ベルルスコーニ会長を納得させた」
「この10秒が、身の毛がよだつような昨年の一連の出来事を消去し、チームに『走る』という未来の形を与えた」
開幕前、新監督のインザーギ氏が強調していたのは、チーム全員の頭に「走る」という意識を植え込むことだった。昨年のようにカカやバロテッリの個人技に頼るサッカーではなく、チーム全員が一体となって「走りに走ってつなぐ」サッカー。ミランに4年ぶりの開幕戦白星をもたらした先制ゴールは、まさに新監督のポリシーを具現化したものだった。